実演鑑賞
満足度★★★★
配信も含めれば観る頻度が上がったチャリT企画。同じ「ふざけた社会派」でも、自分にフィットするかは毎回違っている気がする。中々捕えどころがない劇団、と感じる理由は、「社会派」「ふざけた」という真反対の要素の分量比で雰囲気が変わるからか・・。軽妙さと皮肉とは比例せず、軸がどちらかで空気が(場合によっては物語も?)変わる道理であるので、どちらかと言えば前者を大事にすると見えるチャリTの「皮肉」の効き具合は作品によって起伏がある訳である。・・と色々とそれらしい事を考えてみてもこの書き手の感覚はよく掴めないのである。
いずれにしても今作は両者(軽妙と皮肉のことね)がうまく出会い、問題への踏み込みがコメディ度を高め、賑やかかつ目まぐるしい展開が本質を逸らさず逆に穿つといった具合で。要は出来が良かった。
俳優陣が存分に役を演じ切れていた事もテキストの良さを証明していそうである。題材のタイムリーさ(ビッグウェンズデーに乗ったかのような)もそうだが、演技とシチュエーションの<美味しさ>は密度が濃かった。
もっとも序盤に必ず訪れる「リアル」との葛藤は健在?だが。(今回ので言えば深刻なレイプ疑惑の告白を聴く友人の態度、また話す側の態度、二つを足した時の奇妙なリアリティの無さ・・だがここでの課題は「出来事の提示」。自分も段々とそういう見方が出来るようになってきた。)