実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
タイムリーな時事<闇か病>ネタを笑い飛ばすような描き方、しかし その核心は鋭く突き かつ多面的だ。タイトル「Wの非劇」は1980年代にヒットした映画「Wの悲劇」を連想させ、一見 劇構成は準えている様に思えたが、本作ではインターネットやチャットGPT等 現代的な要素を盛り込み、その功罪までを問う幅広さ。勿論タイトルに込めた思いは劇中で明かされるが、演劇という虚構性を逆手にとって今 現実を痛烈に皮肉る内容に驚かされる。
本「Wの非劇」は説明にある性の被害者が別の意味で加害者になり、事がうやむやになろうとする。それは芸能(事務所)界だけではなく、市民が時々の風潮に乗じて誹謗中傷することで更に真実が分からなくなる。性の被害は女性だけではなく男性も、それを現実のJ事務所を連想させるジョニーエンターテイメントの新人合宿所の場面で暴く。
映画「Wの悲劇」は、映画の中で上演されている舞台劇の原作という設定であるが、本作のラストは別の映画を思わせるといった凝りようだ。どのように収束させるのか と思っていたが、お~そう来たかと思わず笑ってしまった。いや それまでも笑っていたが 、やはりラストは秀逸であった。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし)