あたしら葉桜 東京公演 公演情報 iaku「あたしら葉桜 東京公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ①岸田國士の『葉桜』の朗読。林英世さんと松原由希子さん。1926年発表。
    5分休憩。衣装チェンジ。
    ②『あたしら葉桜』上演。2015年初演。

    林英世さんは杉村春子を思わせる貫禄。こういう役は声が重要。嗄れた声に生活の重みが乗る。
    松原由希子さんは吉田羊や中江有里っぽさもある美人。

    ネタバレBOX

    ①縁談を受けるかどうか複雑な心境の娘。母は「そんな男なら断っておしまい!」。でも娘の心は惹かれているようだ。母は自分の経験談を語る。男の張る見栄、つまらないお芝居について。「お前に自分のような思いはさせたくない」と。娘は停車場までの花の散った桜並木、青葉のトンネルのような道を男と歩いたエピソードを語る。そこにホラーのようなBGMが流れ、緊迫感を強調。日が暮れていく中、ゆっくりゆっくり歩く二人の姿。きっとこの縁談は成立し、娘は出て行くのだろう。母娘の零す複雑な涙。

    ②いきなり関西弁全開の母娘が走り回る。先程との落差で舞台がぱっと明るくなる。アイネキュッヘンシャーベ(ドイツ語でゴキブリ)が出現してパニックに。娘の雑誌の下に潜んでいると踏んで、片側にゴキブリホイホイを置き、逆側から制汗剤をシューッ。何も出て来ない。じっとその様子を見守りながら、娘の恋人の話になる。さらりと語られるので気付かない人も多いのでは。(自分も半信半疑だった)。娘は同性愛者でネットで知り合った恋人にドイツ赴任の同行を誘われている。同性婚が合法な国。複雑な心境の母。現代版『葉桜』という位置付けなのだろうが、同性愛を入れる必要はなかったのでは。母娘の想いのノイズになってしまっている。(同性愛ネタが強すぎる)。さらりと触れられるだけなのだが、逆にそれが物語を阻害している。(いろんな推測を呼んで混乱を招く)。母はずっと自分の運命の男を探していたと言う。学生時代、会社員だった男を逆ナン、それが今の旦那。自由な現代に背景を変えても、母娘の持つ複雑な想いは変わらない。

    何か物足りない。

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    2023/04/17 07:33

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