実演鑑賞
満足度★★★★★
#太田宏 #佐藤滋 #伊藤毅
(敬称略)
とっても楽しみにしていた。アフタートークで知ったが、日本での上演は4つめのカンパニーになるらしい。日本初演が菅原文太と木之元亮だというのだから驚き。それ観たかったなぁ。前回の上演がパブリックシアターの堤真一と草彅剛でチケット争奪戦で大変だった。
その作品を、アゴラ劇場の狭いスペースでやるのだからたまらない。臨場感を想像するだけでゾクゾクした。
結論から言うと、良いとか悪いとかではなく、冷静に落ち着いて観終えた。きっとそれは内容も結末も知っていたことが多分に影響している気がする。そしてやはり、舞台の余白が物理的に少ないことで標高8000mの絶壁における畳二畳に満たないスペースの孤独を、美術セットのコントラストから感じることは出来なかったことが大きい。加えて、陽気さ(恐怖心や葛藤からの裏返しであったとしても)やハイテンションに葛藤を受け止め難かったように思う。冒頭に孤独を感じさせる時間を長く入れたら違うモノを感じたかもしれない。
剥き出しの鉄パイプで組まれた舞台セットは、見えている時の活用法よりも、暗転時に響く音の利用に高山の孤独や恐怖を感じさせる効果があったように思う。
あのサイズの劇場で上演したことに価値があったし、二人の俳優さんも好演していた。空間とどう融合させるか、演出のアイデアが光った。
今作の内容を知らずに観る人を羨ましく思う。