鉄の纏足 公演情報 東京タンバリン「鉄の纏足」の観てきた!クチコミとコメント

  • 事件が成立するまで
    “多かれ少なかれ如何なる職場にも、人間関係におけるオリやヨドみといったものは沈潜している”
    とは少し前に別の公演で書いたことなのだけど、それを馴染み易くありふれた設定において描いたものとも言えるし、また、

    ネタバレBOX

    “人間のどうしようもなくダメで嫌な部分を淡淡と、乾いた質感で描く”
    と書いたこともあったが、そこまで突き放してもいないので舞台には梅雨らしいじめじめとした空気が漂い、コモンセンスとのズレにより生み出される俯瞰的な笑いも多くは抜き取られている。(むしろ笑いは独立して在り、それをより補強する裏世界の設定が鮮やかでもある)

    舞台には一瞬の錬金術とでも言うべきものがあり、それはときにクライマックスとかどんでん返しとか呼ばれるのだけど、
    ふとした日常の延長上に特出してしまった違和を違和感無く描き出してしまったことが最大の白眉だと思った。
    それは錬金術というか、鉄の重さを纏っている。
    彼らは確実に0.1%の可能性で日本に棲息するリアルな存在であることを<逆に>気付かされることにもなる。

    美術・杉山至氏、絶好調。

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    2007/06/30 01:50

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