ベルを鳴らさなきゃ! 公演情報 Route「ベルを鳴らさなきゃ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    物語は、ホテルのフロント そこに配属された新人ホテリエを通して、接客の難しさ、同時に楽しさ、遣り甲斐を見出すといった成長譚。
    冒頭は、先輩社員が配属された新人3人に自己紹介とホテリエになりたかった理由を聞くシーンから始まる。少し硬い感じもしたが、このホテルへの就職<志望>動機を聞き出すことで、後々の接客シーンに繋げる上手さ。

    一方、ホテリエならずとも 人としてどうなのかという問題行動・行為が気になるところ。気になるのが、ホテルという安心・安全を提供し宿泊してもらう、一方、客にしてみれば、いわば命を預ける場所である。そんな業種で行っていることに違和感を感じる。それが例え 笑い所であろうとも。むしろそこを笑い所にしているが…。
    (上演時間1時間15分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台セットはシンプルで、下手にホテルカウンター、その上にベルが置かれているだけ。ホテリエとしての登場人物は、新人(男1人、女2人)、そして教育係の男性社員が1人。それぞれの志望理由は、幼い頃、家族旅行で来たこのホテルの印象が良かった、何らかの出会いがあるかもしれない、実家から近く通勤に便利であった、など様々である。高尚な理由だけではなく、現実的な理由が あるある感を思わせる。

    宿泊客は、新婚、恋人同士、家族連れ、訳あり女性1人、ゲームオタクといったありそうな客層<構成メンバー>を登場させる。近場の観光名所・観光スポット、さらにはホテル内の食堂、プールがある場所を尋ねるといった有り触れた光景を点描する。そのうち新婚や恋人同士の痴話喧嘩やゲームに関わるマニアツクなトラブル等、同時多発的な問題への対処に追われ出す。初日のフロント業務にしてはなかなかハードな、そんな中、家族連れの娘が行方知れずに…。その対応にクレームが、そしてホテリエは苦境に立たされる。

    気になったのが次の2点。
    第1に、色々なトラブルは、覆面オーナーの仕業であったこと。勿論 子供の行方不明も仕組まれたこと。客を装わせた人々を使って、フロント ホテリエがどう対応するか試す。今回が初めてではなく、時々行っているらしいという伝説の新人教育。しかしこの試し騒動によって真の客へのサービスが低下しないのか。真の客に迷惑をかけないため 綿密な打ち合わせをするのではないか。

    第2に、真の客であった訳ありの女性、実は失恋という傷心旅行でやって来たが、ホテリエの手違いで部屋に花を飾ってしまった。女性は花=失恋を連想するという苦い経験がある。手違いをしたホテリエ〈出会いがあるかも〉に責任を押し付けるかのように、失恋を癒すため 気があるような素振りをさせる。公私(混同)を忘れたかのような…。

    新人以外は、全員が仕掛け人であったほうが まだ良かったかも知れない。笑い所ということは分かるが、何となく釈然としない。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/01/18 05:45

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