サクセスストーリーがはじまらない 公演情報 劇団マリーシア兄弟「サクセスストーリーがはじまらない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/11/23 (水) 18:00

    マリーシアらしい”男だらけの楽屋もの”が、進化を遂げて帰って来た。テンポよく繰り出される台詞の応酬に無駄がなく、どんどん引き込まれる。夢がない人生は寂しい、でも夢だけでは生きて行けない・・・そして夢破れた者はどんな選択をするのか。
    登場人物がみんないいヤツで泣かせる。

    ネタバレBOX

    ヒーローショーの楽屋に集まるスーツアクター、作家、アクションコーディネーター、
    そしてプロデューサーの面々。
    作家は今の企画を終了して新しい戦隊ものを書くよう言われている。
    ベテランアクターは2人目の子どもが生まれるのを機に引退を考えている。
    そのベテランを敬愛し、追いかけて来た若手アクターがいる。
    「アルバイトサンタ」と言われると「プロのサンタだ!」と反論するアクター、
    太ってスーツが入らなくなるアクター、
    冷やかに彼らと距離を置く冷めたアクターもいる。
    それらをまとめるプロデューサーは、骨折したアクションコーディネーターの代わりに
    新しいコーディネーターを連れて来る。
    それがまた”昭和のやくざ映画から抜け出たような”奴で
    背中に何やら模様があるという・・・。

    8人も男が入り乱れるわりに暑苦しくないのがマリーシアの味わい。
    声を張らない自然な会話がその理由だと思うが
    今回投入した客演のアクションコーディネーターがとても良いアクセントになった。
    日常の中に非日常を放り込んだ時の可笑しさがストレートに伝わって客席も大きく湧く。
    このメリハリ、これまでのマリーシアでは小さかった振れ幅の大きさが面白さを倍増させた。

    メンバー各自がかかえる背景やエピソードが厳選されていて
    特に淡々と語る「サンタ」のエピソードに泣けた。
    ちっとも力んでいない、テレビドラマでもよくあるエピソードなのに
    自然と涙が出て来る、この持って行き方。
    台詞の力、役者さんの力が感じられたシーンだった。

    パンチの効いた客演人が弾ける一方で劇団メンバーの安定感が目を引いた。
    会話の軸を担う作家役の佐々木祐磨さん、細かいところまで台詞がきちんと腑に落ちる。
    引退アクター役の狩野健太郎さん、一つひとつの台詞にバックグラウンドが感じられた。
    ”役者の夢と挫折”という、極めてリアルなテーマを選んだのも功を奏して
    ほろ苦いハッピーエンドに説得力があった。
    「サクセスストーリーは始まらなくても、人生の幸せが終わるわけじゃない」
    今後のマリーシアの脚本に期待大・大!
    大浦さん、あの目力と毒吐きも、また見せて下さい!



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    2022/11/24 00:56

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  • 3年ぶりの公演にご来場ありがとうございます。

    コロナでの活動休止もありましたが、なんとか活動を再開できました。
    温かいご感想をいただき、そしてまた役者としても観たいと言っていただき、とても嬉しいです。

    次回はまだ未確定ですが、僕自身も出る可能性はありますので、是非次回もご来場いただける事、お待ちしております。
    本当にご来場、ありがとうございました!

    2022/11/27 23:07

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