ビブリオライブ4 公演情報 本気の本読み!ビブリオライブ 「ビブリオライブ4」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    「普段はお客様に見せない本読みをお見せするチャレンジ企画。即興演劇もあり、まさに俳優を味わう一日!俳優の役に入る瞬間、鼓動とパッションを劇場では味わえない近さで感じてください」という謳い文句に誇張はない。

    観た回は、本読み3作と即興劇1本であった。本読みは、全ての脚本が素晴らしく、役者は会話(サスペンス)劇、コメディ、心象劇といった雰囲気の異なる物語を見事に朗読していた。即興劇(エチュード)は、開演前に観客から「言葉=台詞」を書いてもらい、それを劇中で使用(喋る)する。台詞や動作などを役者が考えるのではなく、事前に最初と最後の台詞が設定されており、3分間の物語を創作する。その劇中で観客(自分)の言葉が使われる楽しみもある。

    エチュードという言葉、演劇初心者には難しいが、藤田朋子さんが実に面白く しかも的確に説明していた。子供の頃の おままごと…ごっこ遊びのようなもの。子供自ら役割(お父さん役・お母さん役)を決め、食事・料理場面などを設定する。それを大人になって演劇として行うのが即興劇である。主宰の植松愛さんもこの説明に感心しており、これからは同じように説明したいと…。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    前に観(聴い)た時と本読みする場所が違う。店入口の反対、最奥の壁際に椅子を並べ役者は横一列に座る。その手前にテーブルとカウンターチェアが置かれており、出番の時に移動していた。今回は、本読みする場所が客席中央という、きわめて至近距離で役者の本読みを聞き観ることが出来た。

    脚本は次の3作品。
    「カレーかハヤシか」(作・ふじもり夏香)
    休日の昼下がり、高坂家のダイニングテーブルに2人の女性、1人はこの家の妻・高坂涼子(藤田朋子サン)、もう1人は夫の部下・中川真奈美(小槙まこサン)である。夫は休日出勤で留守、そこに真奈美を招いた。穏やかな日常会話、そして恋バナに話が弾むが、いつの間にか夫の不倫に悩み困っている。そして不倫相手は…。毒入りは、カレーかハヤシか? その究極の選択を迫るサスペンス劇は緊張・緊迫感があって聞き入った。話す前に藤田さんが上着を脱ぎ、本番モードへ。因みに朗読後、いったん上着を着たが、即興劇が始まる時も上着を脱いでいたのが印象的であった。

    「火事」(作・江島裕一郎)
    燃え盛るマンション、鳴り響く火災報知器という設定。火事現場にいる男女3人。住人女(植松愛サン)が救助を求めて叫んでいる。2階の部屋に夫が…助けてください。その声に反応して相田(関幸治サン)という正義感の強い男が火の中へ飛び込む。その後、女性が実は夫は単身赴任でいないこと、そして別居して3年になることを告白する。さらに引っ越して ここには住んでいないと。聞き役の住人男(レノ聡サン)は呆れかえる。相田を呼び戻す住人男と女、そして戻ってきた相田からの告白に衝撃の事実が…。

    「ミートソース・グラヴィティ」(作・小栗剛)
    テーブルに置かれた小さな一皿にまつわる、壮大な恋の話。本読みが始まる前に、この作品の状況を植松愛さんが少し説明する。輪廻転生、同じ時代・時間の人生を生まれ変わりながら何回も繰り返す恋物語。クリスマス、働いているレストランに佇む直志(関幸治サン)、夫がいる恋人あかり(小槙まこサン)との痴話喧嘩。思わず目の前にいる彼女とは違う女性の名前を呼んでしまう。チヨ(森谷勇太サン)とは…。その悲しいまでの邂逅の繰り返しに泣ける。実際、森谷さんの目に涙。

    通常 読みの段階では座ったまま行うが、力が入ったため、思わず立ち上がったと言う。例えば、藤田朋子さん演じる妻は、怒気表現において声色を変える。今回は自分の思いで判断したが、しかし本当にそのシーンなのかは演出家や物語の流れの中で確認しながら演じると話す。そんな裏話と演技過程が聞ける貴重な公演、堪能した。
    また脚本は、違う作風を選び 観客を飽きさせないといったサービス、その本読みを素晴らしい話力・話術で聞かせる。

    会場が飲食店〈NOS Bar&Dining 恵比寿〉であることから、一般の劇場と違って午前中と昼食時(ランチ営業はない)での上演になる。都合がつけば次回公演も観てみたい!楽しみにしております。

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    2022/10/16 14:09

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