座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火) 公演情報 占子の兎「座布団劇場 二人会其の二~分け入っても分け入っても青い山(山頭火)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2022/08/20 (土) 19:00

     途中休憩を挟みながら、3つの演目を観て、聞いたが、今回の座布団劇場という団体は、いわゆる演劇でもなく、かといって、朗読劇、または寄席といったふうにはっきりとジャンル分けすることができない、演劇や朗読劇、寄席というか落語の良い部分巧みに取り入れた、新しい劇の在り方を観て、聞いて、新鮮で、感慨深かった。
     
     最初の演目「老婆の休日」では、どう見ても元気そうで、何も病院に来なくても良い婆さんと、爺さんが、病院の待合室で会話することで話が始まるが、何か身体の具合が悪くて病院に来ているというよりかは、待合室で話し相手を見つけて、世間話をするために、病院通いをするという、本末転倒なあり方に、高齢化社会への皮肉とユーモアたっぷりで憎めない登場人物たちに共感し、大いに笑えた。
     「茶漬けえんま」では、閻魔が茶漬けを食べ、洋風でモダンにスーツを着こなしていたり、閻魔もコンプライアンスを考えなければいけなかったり、あの世で閻魔と釈迦とキリストという違う宗教が同居して、仲良くしていたり、天国と地獄にそんなにはっきりとした差がなかったりと、憎いぐらいに皮肉と現代社会への批判がユニークに、ハイスピードに展開されていて大変面白かった。
     また終盤での、釈迦とキリストとの聖人であるはずの2人にあるまじき、浅ましく卑しく、醜い、まるで人間か、それ以下の醜態を晒し、本性丸だしの俗っぽさが、観ていて大変滑稽で、気付くと、大笑いしていた。
     最後に、リクエスト企画というものを演った。お客さんの拍手の多さで作品を選ぶという発想自体が、ありそうでない試みだと思い、大変面白かった。
     作品は「幽霊蕎麦」だったが、幽霊になっても女房に言いくるめられてしまう、気が弱く、小心者の旦那と、堂々としていて、図々しく、浪費癖が激しい女房と、蕎麦屋の客との、それぞれの噛みそうで、噛み合わず、ずれたやり取りが可笑しく、最後の女房の一言に、なんだかんだ言っても、世の中図太く生き抜くことが出来るのは女性なんだなぁと感心してしまっていた。
        

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    2022/08/21 23:23

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