満足度★★★
芝居ならではの手法とこの小屋ならではの距離感・雰囲気
ホステスである母とはぐれた少年、交番勤務の警察官、売れない漫画家とその友人のロックシンガー、バーのママなどが織り成すドラマ、粗削りな部分や時として長く感ずる暗転などもありつつ、シンプルな装置でいくつもの場を表現したり、5人のキャストが複数の役を演じ分けたり、芝居ならではの手法と、このサイズの小屋ならではの距離感・雰囲気が○。
手法と言えば、死者(あるいは瀕死の者?)の魂がその「記号」として(死因不問で)首からハンギングロープを下げていて、その先をたどると肉体につながっているという発想が楽しい。
また、太宰治の「人間失格」にインスパイアされた作品とのことで、wikipedia で予習して行ったら確かに心中未遂(相手は死亡)後にさらに自殺未遂などという人物もいて、「あ、なるほどぉ」なんてこともアリ。キチンと読んでいたらもっと共通点も見出せたのかしら?