GK最強リーグ戦2022 公演情報 演劇制作体V-NET「GK最強リーグ戦2022」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    【ラビット番長×猿組】公演(上演順)

    テーマは「葬式」であるが、両作品とも共通して言えるのは、儀式的な厳かさは感じられない。逆に「葬式」=「暗く重いもの」というイメージを払拭し、ファンタジー、メルヘンといった浮遊感を出した描き方だ。また、当日パンフの出演者の一番上に記載された役者ー井保三兎さん(ラビット番長)、橋本妟奈さん(猿組)が物語を牽引している。

    ラビット番長「沈黙を喰らう」は、暗く重たくなるテーマを 敢えてファンタジー風仕立てにしている。もちろん猿組「猿組式 白雪姫~女王と7人の妖精~」もメルヘン調である。”敢えて”と書いたのは、井保さんの挨拶文「・・・挑戦します。まだまだ向上心があった。心は死んでいなかった」に凝縮されている。「普通の作品を作っても そこそこ面白いものが観られよう」といった思いに止まらない強い気持の表れだろう。
    「GK最強リーグ戦」…そもそもGKとは「戯作工房」の略で、稽古場から生まれてくる最強の戯曲を決めるもの。その主旨からすれば、各団体とも試行錯誤を繰り返し高みを目指すための公演なのだ。
    ちなみに「観てきた!」(一公演としてカウント)は、2団体分をまとめて記載する。
    (上演時間各50分×2 換気・転換休憩15分)

    ネタバレBOX

    ●ラビット番長「沈黙を喰らう」

    舞台セットは、後方に高さのある別場所を設え、後々進展し登場するトント王国を表現している。基本的には素舞台で、場転換し易いように、小道具(テーブルや椅子)の搬入搬出、小物(キャリーバックやクーラーボックス等)で日本ートント王国という土地(空間)の違いを表す。
    物語は、葬儀を生業にする父・井上(井保三兎サン)と売れないお笑い芸人の息子アツシ(渡辺あつしサン)、その相方 カズキ(宇田川佳寿記サン)との取り留めのない会話。そしてトント王国への投機話、いつの間にか同国に住み着いて帰って来ない息子達を心配して、といった物語。印象的なのはラスト・・薄暗い中で喪服姿の井上がボソボソと喋る独白シーンが見所。妻が亡くなっても仕事柄「死」に慣れてしまい、泣けないといったアイロニーが哀れ。

    ●猿組「猿組式 白雪姫~女王と7人の妖精~」

    タイトルからして主役は女王(橋本晏奈サン)。その容姿は醜婆、腰や膝を曲げ いかにも老女.。梗概は、よく知られた白雪姫の物語であり、ストーリー的には何の変化も感じられない。こちらの見所は、女王と全身タイツ姿の真実<マミ>の鏡(西川智宏サン)の緩い笑いを誘うやり取り。演技力で観せるといった演出だが、橋本さんの怪演というか熱演が物語を面白可笑しく牽引していく。その相手役である西川さんの とぼけた受け流しの演技が絶妙。本来の主人公である白雪姫は、毒りんご のせいで眠っている。7人の妖精は、メイクや衣装も含め変わりキャラ(役名も同様)を設定しているが、敢えて あまり目立たない役割にしているような。その意味では、先の二人芝居と言った印象が強い。

    さて、ラビット番長の公演は何作品か観ているが、その都度、テーマや描いた内容への共感や納得といった満足感が味わえた。しかし、本作は「葬式」というテーマのわりには伝える、もしくは訴える”力”が弱かったように感じられたのが残念。先に書いた井保さんの進化の過程だと信じ、次回公演を楽しみにしております。

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    2022/05/28 14:44

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  • タッキー様
    GK最強リーグ戦
    ラビット番長vs猿組 回をご観劇いただきありがとうございます!
    各チームのご感想もいただけて嬉しいです!

    2022/06/01 15:03

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