溺れる家族 公演情報 アロッタファジャイナ「溺れる家族」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    見せ転と私
    舞台の転換がとても多かったです。
    いくら薄明かりで音でつないでいるとはいえ、逆に役者が「転換する人」になった瞬間に客の意識は切れてしまうものじゃないかなと思います。
    見えるか見えないかわからないかくらいのところで芝居しつつ転換してくれたらとってもかっこいいのに。
    基本的に舞台って、そんなにひょいひょい場面をかえるものではないと思うのですよ。できるだけその「場」をひっぱって盛り上がって、そしてまたふっと途切れて次の「場」に観客が行く。
    今回はさまざまな家族の形とその問題を描写するということで、その家族たちに合わせた舞台転換が必要だったのかもしれませんが、それを映像ではなく舞台でやる強みというかなんというか。
    映像であれば、切り替えがききますから、複数の物語が絡み合って同時進行していく様というのはわかりやすく表現できる気がします。が、その表現をそのまま舞台でやってもそれはきちんと舞台にはまる表現なのか。
    私は舞台の中で一番かっこいいのは転換の一切ない密室劇だと思っている人です。
    それゆえに、複数の場面を必要とする芝居をどう演出しているのかは気になるところであるのです。

    クライマックスに愛を感じました。

    ネタバレBOX

    同性の確執は父息子や上司部下、母親同士であったかもしれませんが、どうして兄弟姉妹がなかったのか不思議です。
    異性兄弟であれば性的な捉え方もできちゃって勝手にドラマチックになってくれますが、同性兄弟は入り組んで書けば書くほどリアルドロドロになるので入れてほしかったです。自分の身近な比較対象で、コピーに近い存在、みたいな感覚で。

    この物語に本当に必要な人間なのか?というキャラクターが何名か。
    だったら特筆すべきでない家庭の人を削ったっていいと思う。
    本当に書きたいことのために、もっと練ったらシンプルできれいになると思います。
    逆に、どうせ同時進行するなら、もっと入り組んだっておもしろいと思います。
    兄妹がせっかく2組いたり。

    それぞれの問題は無事に解決したのかな、するのかな、とちょっと心配してしまうラストでした。
    親子3人の花火のシーンは愛があふれていたと思います。
    その愛を汲み取った主人公はこれからどうすんのかな。

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    2009/07/30 20:41

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