JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3) 公演情報 MU「JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    定番と挑戦。
    前回の「死んだ赤鬼」が難解ながら傑作だったので、
    今回も言葉の端々、視覚の隅々まで逃さないよう意気込んで行ったところ、
    「呪文」はさて置き「便所」がこれまでのMUからは考えられない
    ライト&ポップな青春劇!
    ここでこの作品を持ってくるところに、MUの勝負を感じました。
    ていうか、重めな呪文が定番で、ライトな便所が挑戦って
    つくづくMUって捻くれてますね。

    ネタバレBOX

    「JUMON」
    男女を反転したことにより、2部屋の対比がもう、生々しい!
    ままごとのように「愛が見えた」とリビングでただ鶴を折りながら待ち続ける男子と、
    物置で生々しく罵り合う女子。特に物置は、女対女になった分かなりじめっと。
    壁1枚隔てて、というより舞台上では同じ空間なのに、この温度差!
    物語の終盤まで肝心の「信子」が登場しなくて、
    あれー前は最初の方から出てきた気がしたんだけどなーと思ってたけど、
    実際に信子が登場して納得。
    この存在感というか潤いは、ここまで引っ張る意味がありますね。
    いきなり物語の湿度が変わったように感じました。

    この後の便所で「責任を取るのが恋愛」というラインが出てきて、
    なんとなくJUMONのラストシーンを思い浮かべました。
    妊娠という、恋愛において最大の責任が問われる場面で
    このJUMONという物語は起きていたのだなーとか。


    「便所の落書き屋さん」
    疾走する青春、想像以上のライトノベル度にびっくり。
    でもライトノベルでトイレ難民とかホームレスとか
    そういうのが出てきちゃうあたりがやっぱり気持ち悪くてニヤっとしつつ見ました。

    ライトノベルなら優里と西森の全力ハイスクールな大回転で終わるところが
    最後に便所に2人が逃げ込んで疾走は急ブレーキ。
    佐田先生が「ここは便所よ」と力強く言い放って物語の暗黙の了解が根底から崩れ、
    佐田先生が泣き崩れて、なんとここで「スタンド・バイ・ミー」!
    ここでスタンドバイミーを流したところに、MUの善意と悪意を感じました。
    物語のオチをオチとして、正しく青春ドラマを終わらせた善意と、
    分かってる客に「敢えて」この曲を流して
    MUってこんなのもやっちゃうんだぜ的な計画的悪意…って深読みしすぎですか

    個人的には「なんでもない」っていうのがはまりました
    MUってこんなに笑えて泣ける劇団だったんですね!(笑)
    優里がとにかくバカで超愛らしい女子高生で、すごく素敵でした。

    あのスタンドバイミーの後、
    佐田先生はどうやってトイレから出てきたんだろうか
    誰かがドアをノックしたのか、泣き止んで自ら扉を開けたのか
    帰り道にぼーっと考えてて、まだ考えてます。

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    2009/06/04 23:27

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