JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3) 公演情報 MU「JUMON(反転)/便所の落書き屋さん【満員御礼で終了】『観て来た!』に全レス中!(ただいま1/3)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    愛は、思い込みと自分の居場所の欠乏から生まれる
    良い短編を読んだ感じだ。読後感がいいというか。

    あっと言う間の50分間×2なのだが、中身は結構濃い。
    すっと進むけど、台詞がところどころ光る。
    出演者も力まず熱演。話も面白いし笑いもいいタイミングで挟さまれる。

    休憩10分を含む110分は全然長くない。
    とにかく面白かった。
    役者さんたちとの近さもいいし。

    ネタバレBOX

    〈JUMON〉
    恋愛ってのは、思い込みとか妄想ではないだろうか。それの強さによって、自分も相手も束縛されてしまうのが恋愛。
    そして、自分が必要とされることが一番うれしい。自分の居場所ができた感も恋愛には大切だ。

    何かが欠けている(あるいは足りない)男たちが、教祖のような、あるいはマルチの首謀者と思われている女性の、JUMON〈呪文〉と思われている、単なる口癖「愛してる」に惑わされ、自分が必要とされていると勘違いをし、さらに自分の居場所を提供してくれることで、虜になっていく。

    ただし、そこにいるのは常時5名だけというのは、JUMONが消えてしまった、つまり、単に冷めてしまうときがいつかやってくるからだろう。
    しかし、「何かが足りない」男たちは、街にはいくらでもいるので、人数は一定なのだ。

    何かが足りない、胸の奥の空虚感を持っているのは、実は男たちだけではなく、彼らを取り戻そうとする「被害者の会」の女性たちも同じだ。

    自分だけにしか笑顔を見せないと信じている女、付き合ってもないのに、取り返しに来る女、自分の腹を痛めたとは思えない〈ですよね〉子を取り返そうとする母親。その「被害者の会」の女性たちにも「何かが欠けて」いるのだ。

    ハーレムを「家族」呼ぶ男たち。みんなで撮った写真の笑顔に惹かれる登場人物たち全員。幸せの実感を、写真の中の姿でしか感じることができない人々。
    そんな切ない光景が、恋愛のことだけではなく、多くの人が抱えている現実が、舞台では、決して声高にならず、ちょっとした笑いとともに、繰り広げられる。

    ラストで一番無自覚な女が、1人辛い目に遭うのは、彼女だけが、お腹の中で大きくなる現実とともに生きているからだろうか。

    お母さん役は、登場したときに「飛び道具」的臭いがしたのだが、そうではなく、しっくりはまっていたのには驚き。
    そして「どこがメタファーなのかわからない!」の台詞には笑った。

    〈便所の落書き屋さん〉
    こちらも愛の物語、そしてこちらのほうが笑いの度数は高かった。高校生かよっという突っ込みとともに。

    やはり、無自覚な女(女教師〉を取り合う兄弟の話なのだが、便所の落書き屋という設定が面白い。便所に住む男への「みんなネットカフェまでで踏みとどまっているのに」には笑った。本当は怖い設定なのだが。

    やはり、恋愛の一方的ともいえる思い込み(外野から応援する女子高生も含み)と、居場所の問題がこちらでもクローズアップされていた。

    コメディ的要素が多いのだが、ラスト近くの「混ぜたら危険」からの「なんでもありません」の引き際には戦慄した。

    どうでもいいことだが、生徒たちが作る、あのヘンテコな段ボールの作品は、ギャラリーでもあるル・デコへの挑戦・・・ではないだろうとは思うけど、それを思い出し、なんか笑ってしまった。

    で、結局、2つの作品とも無自覚で、男を結果的に振り回してしまう女は、同じ女優さんが演じているからだけでなく、ロングヘアーでフェミニンな格好、そして蛍光グリーンのヒールということもあって、同じタイプの女性像に見えた。

    両作品ともに、この女性のみが悲惨なラストを迎えるのだが、ひょっとして、こういうタイプの女性に振り回された経験が作者にはあり、無意識のうちに舞台で罰を与えているのではないかと思ってしまった。

    つまり、家族と呼ばれるハーレムにいた男たちも、女教師を取り合った兄弟もすべて作者の分身ではないのかと思ってしまったのだ。

    もっとも、同時に彼らは、私〈たち〉でもあるのだけれど。

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    2009/05/28 03:07

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  • 丁寧なコメントありがとうございます。

    MU-blog拝見しました。私は「好きだから」「罰を与える」と思ったわけです。
    まったく何も関係ない女性に振り回されることはないわけで、その女性は無自覚であるがゆえに振り回されると思った次第です。

    MU-blogにあった
    「責任を取らなきゃいけないの。責任を取るのが恋愛なの」
    については、私は、「若い」女子高生の幻想なような言葉だと受け取っていたのですが、どうやら違っていたのですね。

    責任とかなんとかグチャグチャ言ったり、考えたりしない、できないのが恋愛ではないかと思ったわけです。
    後のこと、例えば「責任」なんて考えながら恋愛なんてできるわけないだろっ! ってのが私の思ったことなんです。
    ですから、女子高生は、まだ恋愛に夢見ていて(笑)、つい、正論っぽいことを口走ったのかなと。

    この場合の「責任」の意味・解釈が、違っているのでそういう感想になったわけで、「責任」をきちんと考えるのも大切だとは思いますが。

    2009/06/09 03:54

    「観たい」に続き、素敵な御感想ありがとうございます。作者である自分が確信的にお見せしてること、また偶発的に見えたもの全てが面白い御感想で嬉しい限りです。

    作品の狙いや、家族のルール、作中では「村上春樹かよ」とネタにしてはいましたが、登場人物全員が「損なわれている」感覚。ぼくら普通の人間からすると異常に見えるハーレム一家たちに赤ちゃんという「現実」がやってくるラスト。

    そこら辺は確信的なんですが「女性についての視点・考察」は、作者としてハッと致しました。笑
    MU-blogでもちらり触れましたのでよければ観てみて下さいませ。

    僕的には「ラスト近くの「混ぜたら危険」からの「なんでもありません」の引き際には戦慄した。」あのシーンとかは、演劇の魔法をみっちり込めますので、届いて本当に嬉しいです。

    今後ともよろしく御願いします。ありがとうございました。
    次回も頑張ります!

    2009/06/06 17:05

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