彼女を笑う人がいても 公演情報 世田谷パブリックシアター「彼女を笑う人がいても」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    安倍晋三の祖父、岸信介が首相として、学生と対峙した70年安保の時代と、東日本大震災のその後をつなぎ「報道」という化け物の正体を暴いた骨太の作品でした。

    瀬戸康史さんが、約2時間、舞台からはけることなく、そして、途切れることなく2役を入れ替わりながら、不条理の楔を打ち込んでくる。NHKの「グレーテルのかまど」とは別人。凄い!

    演出 栗山民也さんの原点作品「ゴドーを待ちながら」を観た時のように、シンプルな舞台上に、目の前にはない脚本 瀬戸山美咲さんが描いたその時が、モノトーンで脳内に浮かび上がりました。あの時代の、あの芝居の空気感を満喫させていただきました。

    実は、栗山さんなんで現代的な大掛かりな舞台を期待していたのですが笑

    回を重ねる度に浸みて、深化していく芝居のような気がしています。来年も是非見てみたい。

    ネタバレBOX

    報道という化け物を、70年安保と東日本震災による原発事故をテーマに切り取った問題作。

    権力をチェックすべき主要新聞7社が同じ記事を1面掲載し、世論を封殺したなんて知りませんでした。

    傘をさして武器も持たず国会に押しかけた闘争、香港の雨傘運動の原点は日本人だったか。
    脱原発運動も含め、言葉の力で世の中を変えられなかった、思い知った日本人、そうだったんだ

    フェイク・ニュースや雇われたインフレンサーが造った真実が枝葉を纏い、世の中の価値観を変えていく現代。

    団塊世代の方と、この作品について話してみたくなりました。

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    2021/12/15 22:37

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