Who’s it? 〜ニューヨークの日本人〜 公演情報 feblaboプロデュース「Who’s it? 〜ニューヨークの日本人〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     面白く、格好良く、普遍的。華5つ星! ベシミル‼❕

    ネタバレBOX

     板はその頂点Aを客席入口に最も近い点として時計回りにB,C,Dとすると客席はCD及びADに平行して設けられている。いつも通り、極めて合理的且つシンプルな舞台美術であるが、設定がNYの大学に留学中の極めて英語の良くできる女子留学生が友人女性とシェアしている部屋ということになっている。BCのCに近い部分に目隠しが設けられており、その奥はキッチンだが、この目隠しが小さな様々に色づけされた木片を組み合わせたモザイクのような文様を為している点がオシャレだ。また、登場するキャラの生き方の多様性や個性的な性格、各々の個性から滲み出る内実と暮らす社会との関係の描き方も極めて的確且つ本質的で、作品に自然で深みと広がりのある味わいを生んでいる。
     板上はACの対角線上に横長のテーブル、これに平行にB側にソファ、ABに沿った所に丸テーブルと椅子。
     尺は60分強と短めだが、全く尺の短さを感じさせない。フンダンなくすぐりと極めて普遍的なレベルに於ける日米社会或は日本人、米国人の差異を長所も短所もその特徴を見事に紡いだ台詞によって表現している。
     更に日米の裏社会の繋がりや組織が持つ組織内抗争の矛盾も示唆されるなど、この尺でよくぞここ迄深読みのできる、また広がりが極めて自然に展開する作品に仕上げたと感心することしきりである。また、この物語に登場する日本のヤクザが任侠映画のヒーローのような侠気を見せる点もオシャレであるのみならず「飛ぶ鳥跡を濁さず」の諺よろしくラストは爽快感さえ漂わせつつ解釈の多様性も内包する終わり方もグー。
     脚本、演出、演技、舞台美術、音響・照明の効果総てがキチンとバランスよく纏まって極めて質の高い作品に仕上がっている。

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    2021/08/06 16:54

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