犇犇 公演情報 TAAC「犇犇」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    まず、久しぶりにシモキタらしい良質なストリートプレイを観ることができたことに感謝したい。細部まで技巧した空間が、「素」にはない説得力を有する。
    10年以上の刑期を終え、家族の元に舞い戻ってきた加害者の「兄」を迎え入れる弟と妹の、交差せずに各々「変化」していくプロセス。しきりに配達労働の話題がのぼっているが、実は、家庭内ではなく、現代社会が影の主役というべきだ。「兄」に対する一直線ではなく、広い意味での「誰か」が関係性を決める。そして、潜んでいた、矛盾していた厚底が良くも悪くも開花するのである。だから厳密な意味での「変化」でもない。そこを部屋の一室で描き通したのが見事だった。

    ネタバレBOX

    近所の青年の、歳にしては幼いキャラクター、社会支援家の胡散臭い人物の、止まらない知識。それらが、おどろおどろしい加害者家族を相対化させつつ、しかし、部外者も内外化することになる。私は事件の詳細を明らかにするべきだとは思う。また、妹の生活環境、青年との馴れ初めがみえてこない。戯曲的雰囲気に執着するばかり、観客の理解に不親切ではなかったか。

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    2021/07/31 02:14

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