満足度★★★★
鑑賞日2021/02/28 (日) 14:00
「大鴉」という詩がどのようなものか知らないので、この舞台の土器にその影響を見るのかわからない。「Never More」という言葉に表された、ポーの絶望感を意味しているのか。
「べレニス」「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」「黒猫」
愛する者が死にゆく過程で、それへの禍根と後悔、生きているはずだと思い込む偏執的な愛情とその感情の吐露。または、文学への限りない探求と、人への猜疑心。または自分ではどうしようもない自分の性癖・悪意・自己顕示欲への嫌悪と愛情、そんなないまぜのポー自身を死に至る走馬灯のような回想で振り返る舞台。2人のポー。それは呵責と自尊心。
アトリエで観るキンダースペースから、シアターXに来ると、何ともセットも大掛かりに感じるし、今回はゴシック調に冷たい石のイメージが、ポーらしさを盛り上げる。快作。
でも、2人のポーが健康体過ぎるかな。