満足度★★★
『カラマツのように君を愛す』
不器用で誠実な2人のナイーヴな魂の遍歴を、天窓越しに月が見守る。
女の独白と男の日記。語られる声は柔らかく、物語は静かに進んでいく。
絵本に登場する少年。ツキノウラへ行って一緒に暮らす2人。小さなベーカリーカフェ。
雪深い土地で、小さな店を訪れる人々との出会い。
背後に映し出される窓と月のシルエット。丁寧に丁寧に紡がれていく言葉。
朗読劇といいながら振付もついて、重ねていく時間や2人の距離感なども感じさせる作品となっていた。
『大山夫妻のこと』
テンポの良い会話が続く、ちょっと辛辣でほろ苦い、でもどこか可愛いオトナのコメディ。
脚本家と売れない女優の夫婦。妻がある戯曲賞を受賞して、2人の関係が少し変わっていく。
気づいたきっかけは夫からのある誘い。素気無く断り続けるうちに、妻は自らの心に気がついていく。
一緒に暮らしていても、互いのことを大切にするって本当難しいよね。
キャストお2人の雰囲気がいい感じにゆるくて、情けなさも身勝手さも少しだけチャーミングに感じられた。