鶴かもしれない2020 公演情報 EPOCH MAN〈エポックマン〉「鶴かもしれない2020」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/01/12 (日) 14:00

    2014年にも観た作品だが、その進化のエネルギーに圧倒された。
    創意工夫と緻密な構成、そしてラジカセとの完璧な掛け合い。
    後半の一人二役の切り替えも見事だった。

    ネタバレBOX

    凹凸のあるメタリックな壁、椅子がひとつだけの舞台。
    路上で泣いていた女にティッシュを差し出した男の家に
    女はお礼に「何でもします」と訪ねていく。

    キッチンで料理を作るシーンの軽快な動き、
    壁だと思っていたら次々と出て来る仕掛け。
    劇場の個性と見せ方の工夫で芝居が何倍も楽しくなる。

    「つるのおんがえし」の朗読が流れ、それに沿って物語は進む。
    昔話の鶴は自分の羽を抜いて布を織ったが、
    現代の鶴は自分の身体を売って金を稼ぐ。

    女は男の夢を叶えたいと思ったのだが、他の方法を知らない。
    全てを知った男が去ったあと女はひとりつぶやく。
    「あたしの足を引っ張るのはいつもあたし」(という意味だったと思う)
    どんなにもがいても、元の場所に戻ってしまう自分を自虐的に見ている。

    終盤、全身全霊で機を織る姿に思わず涙がこぼれた。
    この必死な姿を描くために、物語はあったのかと思うシーンだった。

    あらかじめ録音しておいた音源に合わせて台詞を言うのは
    その容赦ない進行という点で、心理的に緊張を強いられると思うが
    それを全く感じさせず、まるで小沢さんがリードしているかのよう。

    自分でハードルを上げつつ毎回乗り越える。
    2020のエポックマンに幸あれ!

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    2020/01/12 20:15

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