はなればなれたち 公演情報 ロロ「はなればなれたち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ロロ『はなればなれたち』@吉祥寺シアター

    劇団というのは、太陽系みたいなもので、何らかの引力で、役者やスタッフがつかず離れず(時には離れて、時には彗星のように太陽系を横切る)くるくる回っている。

    はなればなれのようで、結びついている。

    そんな劇団をや、演劇・役者・演技のお話。

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    ネタバレBOX

    前半は、普通の面白い演劇作品のようで、ラベルが「ロロ」じゃなくても、「そうかも」と思える感じだったが、後半は、ロロだった(『わが星』が出てくるわけではないが『わが星』と見事にリンクしていくというか、それを力点にしていくような感覚)。

    「はじまり」があり「終わり」があって、「終わりではない」話。物語によって救われる話でもある。「物語」が生まれ(人々の中で)広まり、時代の肉付けをされ、未来へ生き残っていく。

    物語が演劇となっていくときには、文字通り(役者や演出家やスタッフたちの)肉体を持つ。肉体を通って行った「物語」は、拡散され、その多くは時間とともに消滅していくが、わずかな細い枝のようになって残っていく。

    その残った「物語」には、通り過ぎた「肉体」の記憶、と言うか香りが付いているのではないだろうか。そんなことを思った。肉体はなくなってしまっても。

    前半、「淋しい」を演じた森本華さんが魅力的なのだが、後半は、「すい中」を演じた望月綾乃さんがどんどん魅力的に見えていく。魅力的なのは「役」なのか「役者」なのかわからなくなっていく。

    そして2人が重なっていくのだ。

    曽我部恵一さんの歌、めちゃめちゃ良かった。

    こう言ったらアレかもしれないけど、演劇の(誰にも気づかれない)地面って、舞台の上にあるのではなく、こっち側(観客席)にあるのかもしれないな、とも思ったりして。

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    2019/06/25 07:18

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