LULU 公演情報 アン・ラト(unrato)「LULU」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    個性的な実力派が顔を揃え、見ごたえがある素晴らしい舞台でした。
     インパクトが強烈、新鮮で刺激的でした。
    凄く面白かったです。

    ネタバレBOX

    主人公ルルの波瀾万丈な生き方には、興奮させられました。
     どういう環境におかれても常に気高く、既成概念に捕らわれない自由奔放で自分の感覚に忠実に、本能のおもむくまま正直に生きる現代的ともとれる女性、
    関わる男達を次々と誘惑して破滅させていく…が、
    ルルが誘惑しているようでいて、その実、相手が勝手に妄想を抱き、夢中になって魔性の魅力に溺れていく。。
     男達は、勝手に作り上げた幻想の世界との違いに翻弄され崩壊、 そして、自らを破滅の道へ追い込んでしまう・・・・ 

     自分の名前を好きに呼ばせたり、と意に介さないところはどうでもよく、本質的なところは全て自分の感じるまま忠実に行動する。そして、どこか少女のように純粋さを感じさせる女性で、付き合う男達によって変幻自在に表情を変え、
     観ていて感心するばかりでした。

     編集長で愛人のシェーン、切り裂きジャックを演じた広瀬さん、
    最初の夫、老医師ゴル、フニダイを演じた霜山さん、
    二番目の夫カメラマンのシュヴァルツ、軽業師ロドリーゴ、ヒルティ大学講師、を演じた多田さん、
    三番目の夫をシェーン、ルルへの独占欲からの嫉妬や憎愛、ピストル自殺を要求された場面でも、それを決断し実行するのは自分自身、逆に夫を殺してしまう!
    このシーンにもルルらしさを感じた。
    四番目の夫でシェーンの息子、劇作家アルヴァを演じた山本さん、
    シゴルヒ、猛獣使い、謎の育ての親、公爵カスティビアーニ、クンクポンティを演じた中村さん、
    ルルに心を奪われた同性愛者で伯爵令嬢ゲシュヴィッツを演じた紫城さん、
     誰もが、それぞれを多彩で魅力的に演じていて、見ごたえがありました。

     クライマックス、ルルが切り裂きジャックに(ここにシェーンの面影を見たか!?)殺されそうになった場面でも死を選ぶのは自分自身、自ら命を絶ったシーンにもルルらしさが、
     繁栄の生活からどん底の売春婦にまで身を落としても、最期の最期まで芯に気高さを残し生き抜いた、と感じられる舞台でした。
     
     強い衝撃を受けました。

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    2019/03/06 23:50

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