SHOOTING PAIN 公演情報 ピヨピヨレボリューション「SHOOTING PAIN」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今まで観たピヨピヨレボリューションとは別公演のようだ。歌&ダンスなどのライブ感なしのストレートプレイは、別の意味(ヒューマンドラマとしての情感頂)で面白かった。全体イメージは抒情的な風景に心象的な思いが紡がれていく。心(思い)に寄り添い、浸み入るような味わい深い物語である。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    客席はL字のような2方向の設え。舞台壁は全体的に白っぽく、その所々に小枝・豆電飾、床には鉄道線路が描かれている。シンプルで浮遊感漂う空間は、物語が始まって間もなく、心療内科病棟ということが分かる。冒頭に登場する3人の女性が主人公で、よく観かける1人3役ならぬ…ラストの余韻が素晴らしい。

    梗概…マツリ(渡邊安理サン)小春(macoサン)、小山田(あずさサン)を中心に、心療内科病棟の入院患者、医師・看護師等の病院スタッフが織り成すヒューマンドラマ。舞台セットはもちろん、冒頭に呟かれる”雨”などに象徴される言葉は抒情的で、物語全体を優しく包み込む見事な台詞運び。ちなみに、”雨”はキーワードであった。心の彷徨、その受け止め方は観客1人ひとりによって異なる。その滋味は…。

    物語の背景には「苛め」「育児」などの社会問題を据えている。しかし視点を少しずらし、直接的な社会批判として観せていない。苛めは人としての悩み、その心の叫びを切り取り、問題の深刻さを痛いほど伝える心象劇にしている。また育児は、一夫多妻という独善(ユーモア)世界の中で、他婦(多夫)人の助けを得て子育てする。育児の不安・悩みを1人で抱え込まないで、地域社会の共助として育児を、というメッセージが込められているようだ。

    演技は、心療内科病棟にも関わらず明るく生き活きと、時に騒々しい人物像をしっかり立ち上げている。特に3女優のそれぞれの心内表現と3人の演技バランスは見事。とても愛らしく寂しさが、グッと観客の心に迫る。
    アフタートークから、衣装や小物類にも意味合いや工夫が施されているらしい。その衣装の変化が情景や心境変化などを現しており、楽しめる。
    さて、自分の観劇位置からは、舞台壁が白く、また病院スタッフの衣装が白っぽいことから照明角度によっては暈けるような場面が…。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/02/08 19:43

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