「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」 公演情報 空宙空地「「轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/10/20 (土)

    かなりしっかり骨子は保ったままの再演だったので、根本のところの感想は2016年当時と変わっていない。

    2016年の私の観劇ベスト2でもあるし、名古屋市民芸術祭2016・特別賞受賞という客観的な評価も得た作品だから、その根幹のところを改めて生で観るだけでも価値は高いのですが… それに留まらない満足感。再演の価値というか、良い作品を改めてブラッシュアップすること、別キャストで表現してみることの素晴らしさを改めて感じた。

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    INDEPENDENT 3rd season selectionにおいて「如水」と「シロとクロ」でしのぎを削ったライバル…というよりは同志と言うべきヨネマリさんをW主演の相方として呼び込んだ結果として、母娘の重ね合わせがキーの本作ならではの劇的な相乗効果をもたらした。

    やっぱ、キレが半端ない。

    タケジュンさんの身体能力も驚きの効果をみせて、早送り的な本作独特の流れに、オーバーアクションやパントマイム感は相性が良かった。

    そして、本作の二面性の片一方の空気を担う…黄金のパートペアの​相方を新たに務めた藤井さんのト○グ捌きは堪えられんな。

    俳優が変わって良くなったと言いたいのではなくて、作品を磨き上げるにあたって、新しい俳優の個性を効果的に使った演出だったな…と思うのです。

    もちろん、残す良さもあるしな。山形さんの某役は まぎれもなく本作の巨大な楽しみであり続けました。(Wミーニング?)

    脚本面でのブラッシュアップは、辛い展開の中での「関戸さんらしい優しい眼差し」が…更に手を拡げてくれたところがポイントかな。最後のアレで父ちゃん救われたな~って思う。ほんま良かったよ。

    そして、本作の代名詞と言っても良い…あの研ぎ澄まされた舞台美術運用。棚瀬さんがパネル芝居と称した…「轟音裏面」とも言うべきオペレーション。結構、演出面でも初演とは違う運用がされている工夫もあって(観た後に初演DVDを見返して気付いた)… その緩みの無さに感心した。初演はまだまだ詰める余地が残ってたんだね…と実感しましたよ。

    脚本と演出と演技の練度を上げる…磨いて磨いて…つるっつるになるまで磨いたエッセンス中のエッセンス。このねちっこさは、作品にも投影されている気がして… 何度も何度も同じ言葉が呪文のように流れていき、それを図らずも体現してしまう人間のみっともなさの中に、人生の…ささやかだけど掛け替えのない大切なモノを見つけて慈しむ眼差しを向ける… 空宙空地の真骨頂ですよ。

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    2019/01/03 17:45

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