『首無し乙女は万事快調と笑う』&『漂流ラクダよ、また会おう』 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「『首無し乙女は万事快調と笑う』&『漂流ラクダよ、また会おう』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    『首無し乙女は万事快調と笑う』観劇。
    ~ナチス政権下のドイツ。とある独裁者のご乱心により、差別や弾圧が丸の内OLの女子会並みにカジュアルに行われていた時代~
    チラシのこの言葉に興味を引かれて観に行きました。

    ネタバレBOX

    首無し乙女 エマの明るさと優しさがこの作品の救いでした。
    自分のことを思い出せない恋人に
    「生きていて、私を見てくれたことが嬉しい!」と言えること。
    この一言で彼女の心の温かさと、二人がどんなに愛し合っていたのかが分かりました。

    もちろん作中には目を背けたくなるような描写も多々あります。
    けれど私は、憎しみも差別も弾圧も、全ては強い「想い」から生まれているのだと感じました。
    それは、愛と呼べるほど、強い感情。

    この作品でとくに目を引いたのが谷口賢志さんでした!
    あの狂気と迫力はすごい!
    彼が舞台上にいるときは目が離せないくらいでした!
    そして、ハインツがカミルを殺せと指示した所。
    必死に「右手」で頭をかきむしるカミルの姿に心臓が潰れそうでした。

    平山空さん演じるリリーも素晴らしかった!
    強姦の後、気が触れてしまいますが、あのセリフ、
    「お兄ちゃん。洋服乾いた?」
    の凛とした響き。
    もしかしたら。彼女はずっと正気だったのかもしれない。狂気で自分を守っていただけで。
    そんな風に考えてしまいました。

    そしてラスト。
    一発では引き金を引けないオスカー。
    弱くて惨めで、優しい男。
    その優しさが誰かを傷付け、
    誰かを救ったんだと思う。

    いつまでも余韻に浸っていたい、素敵な作品でした。

    あと最後に。
    戦うババアがかっこよかったです!笑

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    2018/08/14 12:43

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