ナイゲン(2018年版) 公演情報 feblaboプロデュース「ナイゲン(2018年版)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/08/12 (日)

    12日14時回(約2時間)を拝見。

    ネタバレBOX

    『時をかける稽古場』『紅白旗合戦』…と観てきて、その面白さ・内容の充実度は体験済みの冨坂友さんの作品ながら、あまりの評判の良さから(生来の天邪鬼ぶりを発揮してw)かえって敬遠しがちだった『ナイゲン』。今回のキャスティングの中に、過日、同じ会場で上演された『ホテル・ミラクル6』の出演者・上岡実来さんの名前を見つけたことで、背中を押されて?漸く観劇が叶いました。

    でっ、いざ拝見させてもらうと…内容は、実は結構鋭い問題提起である題材を、笑いのオブラードで包み込んだ、ハイスクール版『12人の怒れる男』。
    職員会議側の提案(命令)を逆手に取って、したたかな戦略を打ち出すまでの高校生たちの「臨機応変ぶり」と、最後に同意はしたものの、会議の結論を決して潔しとは思っていない、理想主義者「どさまわり」の「不器用なこだわり」…他にも様々な魅力を内含した『ナイゲン』ですが、この鮮やかな対比こそが、戯曲の要諦かなぁと思われました。
    過去、細かな改変はあったかもしれませんが、本作品が幾度も再演を重ねて来れた理由、充分、合点がいきました。

    役者陣。
    登場人物とほぼ等身大の若いキャストたちが演じる会議の様子に、ワタシの目では、役柄と役者の境目があいまいになってしまう方が続出!
    もちろん、百戦錬磨の役者たちで固めても、深みのある『ナイゲン』が上演できるのでしょうけど、この「役柄と共に役者も成長していく」戯曲には、やはり若い人たちが演じるのが似つかわしいかなぁ~っと。

    最後に出演者個々に対する雑感をばっ!

    【文化祭実行委員会(全員、2年生)】
    議長…菊池泰生さん(意見対立のはざまで右往左往するさまを熱演。今回の座組イチバンの「がんばってましたで賞」)
    文化副委員長…川口知夏さん(「海のYeah!!」との関係がバレてから、イキイキしてきたキャラを好演)
    文化書記…上岡実来さん(『ホテル・ミラクル6』組。同じく、彼氏である「海のYeah!!」の浮気がバレてからの、醸し出される「姉御」感がいい)
    監査…まりな。さん(『ホテル・ミラクル6』組。終始冷静さを保つも、時折みせる「素」を好演)

    【1年生(☜自分の席から真ん前なので、背中を観ることが多かったチーム)】
    Ⅰは地球を救う…山越大輔さん(突っ込まれるとすぐにテンションが上がる、いかにも1年生らしい、等身大の演技)
    3148…吉原桃香さん(『ホテル・ミラクル6』組。当初メソメソしていた「3148」が、最後は来年の『ナイゲン』が愉しみだと「アイスクリースマス」に語れるほど、短時間で成長していく過程を、誠実な演技で好演)
    おばか屋敷…高橋改さん(役柄の「こんなヤツ、いる・いる!」感をよく体現されていた)

    【2年生】
    海のYeah!!…安藤悠馬さん(同じく、役柄の「こんなヤツ、いる・いる!」感を強くて打ち出した、安藤さんの演技には好感を抱いた)
    アイスクリースマス…野村亮太さん(『トイレの花子さんの帰宅』の「ぼく」から一転、アガリスクエンターテイメントの淺越岳人さんが憑依したような人格に! 若手中心の座組のけん引役の一人か?)
    ハワイ庵…早舩聖さん(若干イラッとさせつつもw、場を和ませるお茶目なキャラの所作にどこかで見覚えが…あとで調べたら『デトックス述懐』でお見かけした方だった)

    【3年生】
    花鳥風月…秋元潤さん(『ホテル・ミラクル6』組。いろいろと複雑な想いを胸に込めたキャラを好演)
    道祖神…あだちせりさん(役柄の性格もあるが、高校、というよりも、大学の文化系サークルで生息している「女史」のイメージかなぁw)
    どさまわり…小太刀賢さん(たすいちさんで幾度もお見かけする役者さんは、間違いなく今回の座組の「座長」。陰に日向に若手の役者さんたちをグイグイ引っ張っているだろう意気込みが強く感じ取れた…ということで、3年生というよりも若手の熱血青春教師?!)

    【追記】
    満足度の★、5つでもよかったんですが、あえて4つにしました。
    なぜなら、今の時点で★5つをつけると、回を重ねて、まずます伸びるであろう、若い座組の千穐楽、★6つが機能上つけられないんでぇw

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    2018/08/13 02:57

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