清らかな水のように~私たちの1945~ 公演情報 ドラマデザイン社「清らかな水のように~私たちの1945~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/07/29 (日)

    ドラマデザイン社「清らかな水のように~私たちの1945~」を観にシアターモリエールへ。毎年夏は戦争をテーマとした作品を観劇するようにしていますが、戦後73年の今年はこちらの作品を観劇。
    修学旅行で沖縄を訪れていた2018年の女子高生2人が戦争真っ只中の1945年にタイムスリップしてしまう物語。モノに溢れ平和な現代ではまず考えることが難しい“濁った水”や“蛙”を食べなければならなかった様子、銃弾が腕に当たり生きるためには腕を切断する選択をしなけばならなかった様子など、戦時中の悲惨さをリアルに伝えるシーンが幾つかあり、全体として当時の状況をよく研究し作り込まれている印象を受けました。シリアスな場面が登場する一方で、皆で楽しく歌う歌唱シーンが上手く盛り込まれていたのも秀逸。作品全体が重くなりすぎず絶妙なバランスを取っていたと感じました。どんな苦難にも負けず懸命に生きる学徒たちの姿には感銘を受けましたし、今の平和な日本があるのはこうした過去があるということを絶対に忘れてはいけないと再認識しました。若い役者さんが多い公演でしたが、皆さん演技力が高く、内容の濃い80分だったと思います。オープニングで存在が登場する“平和講話をする高齢女性”がクライマックスシーンでリンクする伏線回収もお見事。このような良質な作品だけに無理に笑いを取りに行く細かいシーンはやや不要であったという印象も受けたものの、戦後73年を迎えた2018年夏にとても意義のある素敵な公演だったと感じました。期待通りの満足度です。

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    2018/07/29 23:02

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