ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ 公演情報 ニ兎社「ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今の政治情勢っをネタにした喜劇で、よく御存じの題材だけに客席の受けはいい。松尾貴史の安倍のまねなどは、よく特徴(その逃げ回りの話術の脚本も含めて)を伝えて、大受けである。二時間足らず、新劇版の「ニュース・ペーパー」である。こういう生の風刺劇は新劇から遠くなっているので、いい試みだが、正直言えば、こういうのは、ニュースペーパーに任せて、永井愛ならもう少し深くこの問題を人間的に扱った作品を書いてもらいたい。ニュースペーパー的な素材だから、俳優もそういうタッチに慣れた安田や松尾は生き生きしているが、他の男優陣は、どちらでやっていいのか計りかねているし、ご贔屓・馬淵英里何も、地の気の強さが出てしまって深刻になりすぎた。
    例をあげせば、「コペンハーゲン」のような芝居だって、永井が腰を据えて書けば書けるし、井上ひさしを越えていけることにもなるだろう。観客は、井上調の問題提起、解決はもう過去のものだと言わないだけで、知っているのだ。

    ネタバレBOX

    こういう話は政治家も大新聞も悪い、組織が問題だと、括れば括りやすいが、では現状では、実にくだらない内容が大新聞の何倍も出ているネットニュースの方が頼れるかと言うと、実はそんなことはない。ネットを炎上させているのはほんの少数のフリークだけなのは、大組織も承知していて、安心しているのである。政治も新聞も右顧左眄していても、現実市民にそれぞれ役立つところはあるわけで、社会は20世紀前半のように単一の思想で社会システムを動かせなくなった。ならばどうするか、どういう悩みに取り組むか、が創作者の取り組むべきことで、子供の陣取りのような記者クラブの課題などは、末梢的すぎて分かりやすいが、ここからは本質に届かない。

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    2018/06/25 22:54

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