Trance 公演情報 笛井事務所「Trance」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    開始は、バスとピアノの生演奏をバックに、レトロなマイクを前に歌唱が始まる。外は今年最高気温の29度。それを室内のクーラーの効いた部屋、暗闇にスポットライトで聞くと、頭がクラクラする。
    舞台の設定は「覆面の舞踏者」、そして「赤い部屋」からのインスピレーションで舞台は赤い紐が垂らされている。

    二十日会に新しい会員が招かれての歓迎会。ここの披露されるのが、各会員が体験した過去の話。その各話が、乱歩の諸作品ということになる。
    なるほど、各話をエピソードとして繋げるわけではなく、あくまでも語りとして用いているのだな、と納得した次第。そして、最後に新人が語るのが「赤い部屋」の本編の件となるのだが、、、、
    単に各説話が、繋がれているだけなのが少々残念な気がするのだけれど、それぞれの語り手の演技と演出が見事なので、飽きることがない。むしろ、これで1時間半なのかといえるほどの濃密な時間を味わえる。


    ネタバレBOX

    ラストがよく判らない。新人君は殺されたようだけれども、二十日会って何?
    新人君が、会に誘われた件がリフレイン的に再現されて、この会はいつも新人を招くことで成立しているらしきなのだけれど、殺人趣味はないと会員たちは語っているし、、、、

    ちょっとした仕草から、ダンスに至るまで、細かい所作が見事に練られていて、とても心地よいのだけれど、このラストの締めくくりが、どうもしっくりこないのが、個人的には残念。

    それと「押絵と旅する男」の件で「ストーカー」という言葉が出てきたり、「恐ろしき錯誤」を語る男性が落とす手帳がキャンパスノートの小さいのといった、ちょっとしたことが、作品の世界観を崩しているのも残念。
    うまい世界観の構築だなあ、と感心しているだけになあ。

    以上で、★1つ減かな。

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    2018/05/21 13:08

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