満足度★★
東京公演を観た観客の感想をネットで調べてから出かけた。
芝居に吸引力が乏しく内容のどこに共感したらよいか当惑したお客さんが多かったらしい。少し気が重くなる。
ぽつぽつと席が埋まり、観客は30人ほどだろうか。
舞台はまばゆく青いアクリルの床に、シンプルなデザインのイスとテーブル。白い衣装の役者たちは素敵だった。
彼女の居間と同時に大学院の研究室にもなる。ほとんどが手紙文と独白の声、ことばを失った彼女ひとりの台詞が多い。
原子爆弾を発明した科学者と原発事故以降に原子力を研究し始めた研究者の彼らは、わたしには同じとは思えなかった。やはり違うような気がする。
詩のような言葉の流れは眠気を誘う。80分は限界だった。
残念ながら、私はことばの細やかな差異や意味のある繰り返しに気づくこともなかった。神経はぼんやりしたまま、何も刺さりはしなかった。長々と劇作家の愚痴を聞かされたようだった。
広島の観客として忸怩たる思いだ。