僕をみつけて/生きている 公演情報 かわいいコンビニ店員 飯田さん「僕をみつけて/生きている」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「僕を見つけて/生きている」のうち「生きている」を観る。
    2つ目の「進軍、ブラック社畜兵」が圧巻の面白さ。
    怒涛の台詞とスピーディーな展開が素晴らしい。
    “ドナドナ状態”にあるひとの哀しみと開き直りが三様に描かれる作品集。

    ネタバレBOX

    「俺とお前の生きる道」
    妻に内緒で会社を辞めた夫とそれを知ってキレる妻の会話。
    不利な立場の夫が結果的に妻を味方につける辺り、“持って行き方”が上手い。
    それをビミョーで繊細な間で魅せる。
    冒頭もう少しテンポを上げたら、もっと早くから引き込まれたかもしれない。
    短編は早い段階でストーリーが見えた方が面白い。

    「進軍、ブラック社畜兵」
    ブラック企業の営業マン2人が、過酷なノルマや労働条件の下でもがく姿を描く。
    対照的なホワイト企業のエリート社員も、実は組織の陰湿なやり方に取り込まれている。
    支配する者とされる者、立場の強い者と弱い者、様々な力関係が浮かび上がる構造が秀逸。
    弱い者同士、一度は団結して「辞めてやる!」と決意するも、
    結局脱落も許されない運命が皮肉でもあり、哀しく愛おしい。
    熱い台詞の応酬と、リアルな営業マンぶりが素晴らしい。
    辻響平さん、熱いっすね!

    「Gの家」
    愛する飼い主から捨てられたペットたちの棲む家。
    飼い主たちの経済状況や価値観に翻弄されるペットたちの心情が
    細やかに描かれていて切ないし、何といっても彼らがキュートなのだ。
    片桐はづきさんのぷっくりしたシルエットが最高に可愛い。
    被り物の楽しさ満載。

    かわいいコンビニ店員飯田さんってどんなネーミングだと不思議だったが、
    当日パンフを見て素朴な優しい気持ちを大切にしているんだなあ、と思った。
    それは作品にも反映されているような気がする。
    ブラック社畜の土橋さんの潔癖なところや、Gのピュアなところ、
    人の弱さを肯定し、受け容れながら前へ進むところ。
    人生はドナドナだけど、明日の朝は顔を上げて歩こう、という気持ちにさせてくれる。







    0

    2018/04/06 00:53

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大