砂塵のニケ 公演情報 劇団青年座「砂塵のニケ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    テンポ良くさくさく進むので引き込まれた。
    セットもさすがだし、照明もとてもいい。
    2時間35分(休憩含む)の上演時間も決して長いとは感じなかった。

    のだが……。

    ネタバレBOX

    画家や母である女社長、その母に反発するお嬢さんというキャラクターが、あまりにもステレオタイプな造形なのと、母と娘の和解というストーリー展開が予定調和すぎ。どこかで見たような感。

    「絵の修復をすることで娘が父を見つける旅」みたいなストーリーなのだが、観客は母=ニケということは前半の早い時期にわかってしまうので、そこから観客をさらに深みに持って行く企みがあるのかと思っていたら、単にそれだけだった。娘の心の動き(身体の傷と心の傷を癒やしていく旅)などがもっと感じられるようなエピソードなどがあれば良かったのかもしれないのだが。

    母=ニケを描いた上に白を塗り重ねたのは……も無理矢理な感じだし、夕陽を母娘で見て(父の画家も現れて)エンドというのも、いにも感動シーンですよ的で、ややありきたりな。

    母親役の方は(役名のリストがないので役者が不明)、バリバリやっている女性社長のカッコ良く貫禄もあり、とてもいいのだが、20年以上前のときの画家や画商にとってのミューズ的な役はどうだろうか……。画家がのめり込むミューズとしは共感できなかった。
    修復の仕事をしている娘役の方は、声のトーンや若々しさで劇中にとてもいい風を吹かせていた。

    少し気になったのは、画廊で修復をしている主任的な女性が積極的に仕事にかかわっていきたいと貪欲なアシスタント的な女性に向かって「あなたみたいな人は、たぶん私よりも給料が高い人と一緒になれるし、いい奥さん、いいお母さんになれる」みたいな台詞があった。これってどういうことだろう? 仕事の能力がある私(たち=主人公の女性)はそういうのは無理だけどあなたならそうなれる、ということなのだろうか。台詞の意味を悪く取り過ぎた?(笑) とても気になった。

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    2018/03/28 05:12

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