Yellow Fever 公演情報 劇団俳小「Yellow Fever」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本公演、政治的に解決できない結末ではないが、その背景には当時のことばかりではなく、現代においても根深い課題であろう。
    物語が感覚的に楽しめるのは、舞台美術の丁寧な造りだからである。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    全体的に立体感のある造作で、上手側に飲食店内のカウンターやBoxシート、やや下手側少し高くした探偵事務所内の机・本棚、このメイン舞台を囲むように舞台と客席の間のスペースを街路に見立てる。スラム街を思わせるようなドラム缶、木箱が置かれている。

    梗概…時は1973年3月7日から3月15日は場所はカナダ・バンクーバーのダウンタウン。そこで日系二世のサム・シカゼは私立探偵を行っている。ある日、食堂で帽子の中に、何者かによって命を狙うという脅迫文が入れられた。同じく友人の中国系カナダ人弁護士のチャックから日系カナダ人の祭り「桜まつり」で「桜の女王」に選ばれた日系人クドーの娘が誘拐された事を知らされる。サムは脅迫文と誘拐事件の捜査を開始するが、徐々に驚愕の事実が明らかになっていく。その脅迫文…”迷い満月の夜”というシェイクスピアの一節が記されているという謎(怪)文が…。

    「Yellow Fever -黄熱病」は、人種差別の象徴として”黄色”人種を指す。移民は第二次世界大戦時は彼の地で辛苦(日系人の退去、強制収容所への収監等)を味わった。それが戦後も続き”欧”熱病という西欧至上主義_西欧文明防衛隊なる組織が絡んでくる。表層的にはハードボイルドサスペンス劇としての娯楽性、一方当時の世相を切り取った社会派劇という深みも観せる。劇中では人種差別がクローズアップされるが、エリート、労働者という階層差別、その他色々なアイデンティティを持った人々を捉えた広がりがある。その多くの人によって街が形成されていることを示唆している。その象徴が食堂_生の象徴である食事処かもしれない。何しろメニューにお茶漬け、月見うどん等が見える。

    演出は硬質になったり、コミカルになったり硬軟自在に操り、物語に引き込まれる。先の人種差別の問題は物語の面白さの中に垣間見せるが、その問題を先鋭化して取り上げていない。むしろ直接的な糾弾よりは効果的・印象的な観せ方にしている。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/03/24 11:59

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