満足度★★★
10周年という、大きな冠がかかった今公演。
私は、「左の頬」からしか、観ていないのでまだ浅いが、根底にいつもあるモラルさんが描く「表現(者)は貴方が思うよう、感じるように、表現していいんだよ」というホンが好きだ。
人に対しても、仕事や、趣味、様々な事柄の「すき」は残念ながら、全部、成就するわけでない。
でも、モラルさんが描くホンでは、「不器用でも、駄目でも、貴方が好きならいいじゃない」とエールを送ってくれる。
今作は、きっと、「日本」という国をよく表している気がする。
「流行」って括ってはいるが、これが「法律」や、「戦争」などカテゴリーが変わっただけで、笑えない状況になる。
日本はその危険性はとても、高い。
犬と串テイストというか、今回客演のエドガワ役 奥田努さんがかなり、飛び道具的な配役で素敵だった。
板倉さんのメンコ小僧や、満間さんが綾乃さんをお姫さまだっこする姿も素敵だったし、ホリさんのちゃらさが0%だけどちゃらい男も、萩原さんの世の多くが共感する何故、今こんなことしてるんだろうねという自問自答の姿も、藤尾さんのある種、流されない強さと、人と繋がりを諦めないアキラも素敵だった。
終演後、藤尾さんとお話させて頂いたが「天才が出てこない、普通の人だった」のような事を言っていた。
それは、劇団としての遍歴というか
なにか、緩やかに変化をしてきたのかなともおもった。
だから、より、今作をみた観客が自分の身の近くに感じることが出来、
「ミライ」をイメージし、
「ゲンキ」を貰う、
こういった観劇もとても大事な事だと思った。
今作客演のウミヒコ役山中健太さん、ヤマヒコ役山中翔太さん。
双子の俳優さんということで初めて拝見。
陽と陰・
月と太陽
同じ容姿を携えている二人を対極の意味合いを持たせての演出。
感情を隠さず表わすウミヒコと、
静かに、俯瞰で現実を見極めるヤマヒコ。
お互いが交わってないようだが
本当はお互いを思い合ってるという兄弟だった。
星元裕月さんが演じたエルピスは、パンドラの箱をあけて、残った「Hope」(希望)。
コントロールされた未来に託された希望。
誰もが、自分が思う気持ちを信じる事が出来る世界に変わる為の希望になったのかな。
初見だった俳優さんであったが、美しい容姿の方だった。
更に、ご自分がどう見られてるか、どう見せたらよいかを熟知されてるプロの方だなと感じた。
表現の仕方も、巧い方だなと思った。