ストックホルム 公演情報 演劇チーム 渋谷ハチ公前「ストックホルム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/24 (水) 19:30

    座席1階D列11番

    知人の役者・田中惇之が出演するというので観に出かけた、初めて見る劇団の初めて見る作品。この作品は11年前に初演され8年前に再演されたという。タイトルの『ストックホルム』からどんな内容の劇なのか想像できなかったが、舞台の核になる出来事がストックホルム症候群(詳細な説明は省略する)にまつわるものであった。

    8年前に誘拐監禁された女性とその犯人がすむ男のアパートでの2人の間に生まれた愛情というか奇妙な信頼関係を軸に、その隣に住む男とその恋人、居酒屋の店長とアルバイト店員、居酒屋と取引のある酒屋の店長とアルバイト店員、居酒屋や酒屋に営業しに行く文房用品会社の営業マンコンビたちの、アブノーマルとは言えないまでも形の変わった愛情の在り方が交錯したストーリー。女性よりも男性の愛情表現に問題がありそうなカップルばかりである。よって、男性役者陣の演技が舞台の成否の鍵を握っていたと言える。その点からすれば、男性役者陣の熱演は見応えがあった。特に誘拐犯を演じた工藤宏二郞と、誘拐犯の隣室に住む会社の同僚である男を演じた田中惇之の演技はなかなかの出来映え。女優陣では、誘拐された女性の微妙な心理を演じきった岡野真也が良かった。
    内容的に堅苦しさもあったが、居酒屋の主人、酒屋の店長、営業マンコンビが適度な笑いを客席に起こさせて堅苦しさと緊張感を和らげていた演出と脚本もなかなか良かった。役者の演技が物を言う作品と言えるであろう。
    最後には誘拐犯が捕まって誘拐監禁されていた女性は解放されたが、それは女性を幸福にする物だったのか。交錯した恋愛の形を見ているうちに、愛情とは何か、どう生まれ育っていくものなのか考えさせられる舞台であった。

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    2018/01/31 15:05

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