満足度★★★★★
今までこふく劇場にハズレは無かったので、予約だけはしておいたのだが東京から帰った日の夜の遅い公演は、気が重かった。
ところが平日の夜公演の二日間が前売り完売だという。
熊本地震をテーマにした作品らしく、佐世保在住の劇団と宮崎在住のこふく劇場の合同公演。演出は永山智行。
中央の舞台を挟んで両サイドに観客席がある。テーブルや椅子らしき舞台セットは自然の木を直線で組み合わせた象徴的な設えだ。
震災や人の死を扱った作品らしからぬコミカルなシーンが続く。独特の佐世保弁の会話のやり取りのせいだ。日本語のやり取りなのに感情的にならないのが不思議。
役者が動作でリュックを背負ったり、スマホを扱ったりするシーンが多いのにどこか寓話めいた感じもあり、いろいろ考えさせられた。
ロビーでアフタートークが催された。役者も創り手も多くの思いで悩みながらの上演だったという。だが、それが観客の心の中に具体的に見えない何かをありありと映し出したのは確かだ。乗り越えていく勇気を貰った気がする。