いかものぐるい 公演情報 オレンヂスタ「いかものぐるい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    地域振興、痴呆、介護、ニート、創作芸能での生き辛さ、家族分裂、不倫、ストーカー…世の中のあらゆる問題を「ごった煮」にし、誘致活動、落語、アイドル、バンド、漫画等の様々な媒体を通して、そのまま舞台に投影。まさしく「如何物食い」状態でしたね。印象で繋がるモチーフを敢えて消化せずに、一鍋に放り込んで連鎖させるかのような感覚は、観客の脳内を触媒にして、各々に何らかの闇を想起させる感じがあります。

    ネタバレBOX

    充足されぬ、ジンワリとした抑圧の中、人々の様々な足掻きが全編に漂い、蠢く。その空気感を何よりも雄弁に語るのがメインキャストの周りを彷徨うコロス(アンサンブル・キャスト)の一団でした。
    表を演じているメインキャストの"脳内"を表出させるが如き、暗黒舞踏さながらの動きと、象徴的な黒いテープ・ビニール布、更にそれを照らす照明が、もやもや~とした心の内を見事に映して、観る者の印象を支配していましたね…

    軋轢が一点に集約して起きた悲劇…。とことんまで崩壊した後に残る「家族ゴッコ」が、現代が軽んじてきた形式の真意を暗示するかのようでもあり、理想と乖離していても尚、断ち切るべきでない繋がりの尊さを感じさせます。
    敢えて解放のモチーフに凧を選んでいるところが意味深なんだねぇ…

    壊れなければ気づけない、優しくもなれない… あまりにも切ないですね、人間ってヤツは。

    【雑感】悩んだ末の正面下手席。文乃さんのマヨネーズ和えが死角でよく見えない代償に、ラストシーンのジワリとうつろう文乃さんの表情の芝居が間近でラッキー。席で目にするものが相当に違う演出も面白い趣向だけど、生演奏のいちろーさんも見切れた!
    ポン輔。何ゆえ彼は、何もかも背負い込むことになったのか…
    単なる引きこもりでは説明のつかない重荷と足枷が、説明されないからこそ醸造される深みと強固さをもって伝わってきました。こういう芝居をさせると今津さんはハマるなぁ。
    悪食プリン。劇本2のニノさん作品は本作からのスピンオフだったんだね。客席上空の高~い位置での生演奏は迫力満点で贅沢だった。あと、永遠の17歳おナツさんのアイドル姿、もっと観たかったぁ。そういえば、ミソゲキでセーラー服だったよなぁ(笑)
    大脇ぱんださん。ご本人は癒し系の微笑ましいキャラクターなのに、ごっつうシビアな狂気まとうオバさん役で、存在感ハンパなかった。女優なんだなぁ…と痛切に感じた。
    うぇってぃさんの進撃の巨人スーツに大ウケ。もっと暴れて欲しかった。

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    2018/01/04 12:14

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