~ 上海ラプソディ ~ ミステリアス・ミス・マヌエラ 公演情報 サンハロンシアター「~ 上海ラプソディ ~ ミステリアス・ミス・マヌエラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    戦前の上海で活躍した舞姫の半生を、編集者・近江真亜子の取材する視点から描いた物語。現在と過去を行き来して、人間的な魅力(個人)と時代背景(社会)を交え重層的な展開として観せる。

    ネタバレBOX

    セットは中央に両開扉、上手・下手側の壁に色々な張り紙、部屋番号・食堂・リネン室等の表示から或る施設であることは直ぐに分かる。下手側に古いオルガンが置かれおり、ラストに響く音色は美しく優しい。セットは大戦前後の時代変遷、日本と上海という地の違い、舞(歌)姫としての全盛期と特別養護老人ホームでの晩年の暮らし等の対比を表現するため移動・変形をさせ、観客が理解しやすいような工夫をしている。
    デジャブのような、意識が意識を飲み込むような描き。演出はオルガン演奏という音楽効果、照明はラストに雪を降らせる、星の輝きかツリー(豆電球)の点滅という印象付けを行う。

    梗概…1939年12月、上海のジェスフィールド公園近くの歓楽街、愚園路に軒を並べるナイトクラブの一つ、「アリゾナ」で踊っていたマヌエラは1月まで踊る契約をしていた。クリスマスイブの夜、最後のショーを終えて休んでいるとボーイから客が呼んでいると言われる。ミス・マヌエラ(YOSHIEサン)は断ったが、ボーイは「行った方がいい」と言う。彼女は客の名前を聞いて驚く。上海で一流の客を集めるナイトクラブ、「ファーレンス」の社長だった。テーブルに着き会話をした後、ジョー・ファーレンが、「一曲だけ踊ってくれないか」と言う。これはオーディションだった。彼女は疲れていたが「ペルシャン・マーケット」と「タブー」を踊った。ファーレンは、翌月からの契約をその場で申し入れた。こうしてマヌエラは上海のトップダンサーとしての階段を上がり始めるが…。

    1人の女性が時のうねりに翻弄されながらも、その時々の情況に応じて必死に生きる。喜び悲しみ、哀愁などを伝えようとするが、それを体現するキャストの力量がアンバランス。マヌエラは全盛期の容姿・美声を披露していたが、演技は硬い。老人ホームの職員は外国人らしき口跡で違和感を覚える。現代日本における介護事業(職員不足)の課題を思わせる。全体的に物語に溶け込んだ表現力が不足し、せっかくのセットが活かされていないのが残念であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/12/02 14:38

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