月はゆっくり歩く 公演情報 シアターノーチラス「月はゆっくり歩く」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/11/28 (火)

    当日パンフに目を通した時、以前、この劇団さんで拝見した『スカイ』の二の舞…頭ん中でこしらえた感の強い芝居かなぁ、と一瞬引いてしまったが、いざ拝見してみると、「今」の日本社会を強く意識させられる、リアルな作品(85分)でした。

    ネタバレBOX

    Twitterの呼びかけで集まった、月が2つ見える人々の群像劇。

    いつものノーチラスさんらしく、登場人物一人ひとりにスポットを浴びせ、丁寧に描写していく手法は健在。ただ、個々の人物造形、どことなく、過去作品で見かけた人物像のような気がします。

    決して軽い題材を扱っている訳でもないのに、ノーチラスさんの作品にしては珍しく(笑)、観ていて肩の凝らない85分でした。
    過熱しがちなストーリーの展開を、石田茜子さん演ずる(ノーチラスの芝居には珍しい、過度に深刻ぶらないキャラである)千枝が示すクールさが、程よく冷ましてくれたからかなぁと。

    ただし、肩が凝らずに観られた代わりに、ノーチラスさん独特の、ジリジリした焦燥感が、今回、希薄だったように思われます。
    例の座間の事件に影響されて、筆が…いや、キーボードを打つ指が鈍ったのかなぁ?
    それとも、今回、木村香織さんが出演されていないからかなぁ?

    色々と考えさせられる、水準以上の良い芝居だったと思います。個人的には満足しています。
    ですが、ノーチラス印の包装紙を信頼して来られたお客さんには、封を開けてみて、中身の、ちょい喰い足りなさに拍子抜けしたんじゃないのかと、勝手ながら案じてしまいました。団体さんのカラー、というか持ち味、大切になさった方がよろしいかと。

    最後に、記録として役者陣に関して。
    鈴木響さん…引きこもり。呼びかけ人。隠れた目的を持つ。
    北村とうこさん…姉と交代で、父の介護。未婚。主婦売春等。実は…
    山岸香菜さん…主婦。妊娠中。夫の性格が面倒。
    石田茜子さん…医療系の専門学生だが、実は画家志望。今回、唯一のクールな人物。
    渡辺航さん…面倒な夫。外弁慶。オトナ子供。
    竹田真季さん…母と二人暮らし。独身。初めはクールでシニカルだったが…
    小玉賢太さん…かっての売れっ子SF作家。今は小悪党の詐欺師。実は…

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    2017/11/29 03:43

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