子ゾウのポボンとお月さま 公演情報 劇団印象-indian elephant-「子ゾウのポボンとお月さま」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     おならに対する感覚は、大人とこどもで大分違う。大人の感覚は、杓子定規でつまらない。然しこどもたちのおならに対する感覚は、先ず面白い、臭い、恥ずかしい、えっ、赤面等々多様である。ところでポボンの名前は、おならの音から来ている。だからポボンのトレードマークは、おならでもあったりする。すげーだろ! えへん!! えっへん!!! ポボン???? クセー!? か?
    (ところで追加公演があるそうだ。以下にその詳細を記すのでご参考に。また席に余裕のある会もあるとか。詳細は必ず問い合わせ確認を取って頂くとして、2日ほど前の情報を参考までに載せておく。

    追加公演をやることになりました!
    最終日の、10月22日(日)の17:00です!!
    この回は、3歳以下のお子さまも入場OKとして、行います。
    皆様、是非お誘い合わせの上、ご来場ください。


    「子ゾウのポボンとお月さま」(上演時間 約40分)
    https://g-inzou.wixsite.com/pobon

    日時:2017年10月18日19:30〜
           10月19日11:00〜完売、15:00〜
           10月20日15:00〜、19:30〜
           10月21日11:00〜完売、14:00〜、17:00〜
           10月22日11:00〜完売、14:00〜、17:00〜)

    ネタバレBOX


     冒頭、こんな書き出しをしたのは、今作が、子供達にも楽しめるファンタジーだからである。実際、役者達の登場シーンから子供達が絶対喜ぶ工夫がいっぱい凝らされていて楽しく、微笑ましい。こういう作り方ができるのは、大人になっても子供だった頃の心を忘れない大人達か、よほど子供が好きで、子供の心の側に立つことを知っている大人達だ。
     さて、子供達が喜ぶような工夫を凝らして出てきた役者達は、それぞれ頭の上にバケツを載せている。それは王冠のようだ。でも、バケツの大きさは4つが4つともそれぞれ違う。最初のバケツは一番小さい。それが2番目、3番目・・・とどんどん大きくなってゆく。因みに舞台に上がると、といっても素舞台で、床の高さも建物のフロアの高さと同じなので、床そのものなのだが。客席に向かって正座してからお辞儀をする。1番目は、そのままお辞儀をしてバケツを落とし、2番目は首を掲げて挨拶、落ちない。3番目も頭に髷を結ってそれにバケツを被せた上に頭を掲げて挨拶するので落ちない。4番目は、早い段階でバケツを脱いでしまう。何れにせよ、こうして揃った4人はこのバケツを使ってパーカッションを披露してくれる。合間に珍しい楽器も登場するので楽しみにしていて欲しい。
     さて、愈々ポボンの登場である。ポボンの大きさは実際の子ゾウの大きさである。無論、既に自分で歩けるまでに成長しているが、人間のように歩けるようになるまで長時間掛かる訳ではない。そんなポボンは、バナナが大好きだが、ピーマン、人参、茄子などの野菜が嫌いだ。飼育係が嫌いな野菜を無理に食べさせようとするので、遂に食べさせる・食べない合戦が始まってしまった。結局この戦いは、闘牛の形を採ることになるが、ここで、今までポボンが4本足だったものが、2本足になり、素早い動作に対応する。この後も4本足から2本足になるシーンがあるが、ダンスシーンであるなど、その転換は合理的である。
     閑話休題、本筋に戻ろう。闘牛形式の合戦は、闘牛士となった飼育係が、相手を翻弄する為に用いる布をポボンに取られてしまった為、あわやポボンに踏みつぶされようとする刹那、飼育係の必死の呼び掛けに応えた少女がバナナ片手に割って入ったせいで事なきを得た。だが、その少女こそ、ポボンの運命の人であった。彼女に一目惚れしてしまったポボンは、求愛動作として、自分の鼻を彼女の鼻に当てて挨拶をする。彼女もポボンが気に入ったようである。然し、彼女は人間でポボンは象、どうにかして人間になりたい。ポボンは、そう思った。でも、どうしたら象が人間になれる? それが一向に分からないのだった。思いあぐねたポボンを見かねた母は「バナナみたいに黄色い月を食べたらなれるかもね」と教えてくれた。それ以来ポボンは、鼻を伸ばす為にストレッチを始め、鼻は、どんどん伸び皆が嘲るほどに長くなった。この姿を見た母は、自分の吐いた嘘の為に、ポボンがこうなってしまったことを詫びるが、如何に鼻が伸びても月には届かず而もその話は嘘だったと知ったポボンは、毎日を泣き腫らす。こんなに悲しくてもポボンのおならは、止まない。これは更に哀れを催す。流石に月もこれを哀れに思ってか、彼の下を訪れ魔法を掛ける。するとポボンは人間に変わっていた。ポボンと少女は互いに鼻に触れ合って挨拶。ダンスを踊って大団円を迎える。
     役者たちの演技も素晴らしく、鈴木 アツト氏の演出も良い。それに各シーンでの音響効果のセンスが実に良い。また、子供が見ても楽しめるよう、小さなおこさんたちがむずからずに済むよう、公演時間も40~45分と丁度良い長さに仕立ててある。お勧めの作品だ。更に終演後にはポボンと写真が撮れる。蛇足だが、無論、大人が見ても楽しめる作品である。

    0

    2017/10/20 03:30

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大