三編の様々な結末 公演情報 東京ストーリーテラー「三編の様々な結末」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    朗読劇はたまに見るのだけれど、開演前にはいつも「聞くだけなら、ラジオでもテープでもよいのではないのかな」などと思いながら、毎回その舞台性に負けて(つまるところ、舞台の役者と観客が向かい合い、反応し合うことの醍醐味に快感を覚える)帰宅の途に着く。
    今回も同様だ。
    役者は衣裳も来ていないし、舞台装置もない。でも、存在するという、ごく単純な事実が声に身体性を持たせて、その都度異なる感情のハーモニーを作るのだなあ、と思う。

    特に今回は、それを強く思った。

    ネタバレBOX

    作品の性質は全く違うのだけれど、どれも、うまく余韻を残し、幾らかの悲哀と希望を感じさせてくれることでは共通する作品だ。

    解説では「システム」「杉山さん」「対の人形」の順だったので、その進行だと思ったのだけれど、「対の人形」からのスタート。どうしても、オムニバス形式だと、最後の作品の余韻を引きづりやすいのは否めない。
    でも、これ「対の人形」が、最後だったら、結構、舞台の印象は変わっただろうな、と思う。「対の人形」が、淡々と、えぐいくらいの人生そのものの残酷さと底知れぬ数奇な運命の在り方を、物(2つの人形)に託して綴っているのに対して、他の2編は生きていくこと瞬間瞬間の残酷さを描くにとどまり、どちらかと言えば話は軽快で、時折ユーモアさえ交えていく。
    それほど、「対の人形」は重い。
    そこに希望が見いだせるのは、お互いに気づかなかった双子の姉妹の最後の邂逅、そこに登場する妹の孫娘の未来と、妹の娘の思い出があるからにしか過ぎない。

    姉は今度5歳の時に別れた妹と会った時には、そっくりだから必ず気付くはずだと思っていた。しかし、気付くことはなかった。姉と妹の容姿を大きく分けさせたものは、何だったのだろう。それはあのもうひとつのきれいな人形に対する欲望だったのか。

    「対の人形」はもともと小説だとおっしゃっていたから、作品としても古いのかもしれない。そこで順番が前に来たのかな。順番については、いろいろと考えられるけれど、「対の人形」の招いた胸の痛みが、最後まで響いた。その意味では、最後がよかったのかもしれない。

    今、ちょうど昼の舞台上演中。「対の人形」の話は、かけおちのところまでいったかな。

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    2017/10/17 14:41

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