めいじゅたなごころにあり。 公演情報 遊々団★ヴェール「めいじゅたなごころにあり。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    物語は、温泉旅館の新米主人の成長と家族再生を横軸に、地域活性化を縦軸に交差させた人情劇。ハッピーエンドという予定調和であるが、その過程が実に面白く描かれる。
    もっとも時間軸は父親の一周忌から三回忌迄。また会話(台詞)には俚言を取り入れて情緒感たっぷりで楽しめる。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台背景は岡山県緑町のあづま(温泉)旅館。そのセットは、中央に横長ソファー・BOX椅子、上手側に変わり兜・赤韋威大鎧(?)の甲冑、その奥は浴室へ通じる暖簾が見える。ほぼ中央奥に2階への階段。その横に兜・洋画が飾られている。下手側奥の(孟宗)竹林、食堂への通じる暖簾。観光パンフレットのラツク等も置かれ雰囲気作りは素晴らしい。

    梗概…父の一周忌に集まった兄弟姉妹(名前に春・夏・秋・冬の文字が付けられている。季節、性格の違いということか)。長男が老舗温泉旅館・あづまの跡を継いだが、その経営は思わしくない。「湯守り」として真摯に温泉と向き合うが客足は遠のくばかり。ある日、町役場に勤める幼馴染・和馬からある提案を持ちかけられ……。

    この町を経済特区にして地域活性化を図りたい。そのためには旅館の土地が必要で立ち退いて欲しいというもの。旅館の経営が厳しいことも相まって苦慮する主人。懐かしい風景(故郷)を残すこと、一方、過疎化など街の活性化が必要なことも分かる。今、地方都市に見られる典型的な問題を提示し、温泉旅館としてどう生き残るか。
    この温泉旅館の従業員や宿泊客などを巻き込んだドタバタコメディは、典型的な娯楽演劇として楽しめた。

    気になったのは、主人公が「湯守り」という設定であることから、なぜ温泉が出なくなり、再び出るようになったのか。温泉旅館の主人は「湯守り」として一生懸命取り組んでいたが、経営的なことは妹や従業員任せ。そんな時、温泉が出なくなり大騒ぎとなる。主人が(帰省していた弟から)経営の重要性を認識させられ、皆の力(協力)が必要であると懇願をする。この主人の成長が、などというスピリチュアルな現象として解決するのは安易だと思うのだが。それとも自分が見逃したのだろうか?

    先にも記したが、分かり易い人情劇で楽しめたが、この件は卑小なこととして置き去りに出来ないのだが…。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/10/01 10:25

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