Regulation'sHigh 公演情報 BLACK JAM「Regulation'sHigh」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ある種、今の教育現場に活を入れるような(体)力作。眠気など微塵も感じさせない疾走感が素晴らしい!

    物語の結論はすぐには肯定できないが、清々しさを感じるのは、曖昧模糊、優柔不断など責任の所在を明らかにせず...に対し、教育は洗脳だ。と言い切る教師の存在が特異であるが、その理論展開が明快であるからだろう。不透明な時代に明確な指標を示すことが出来る。その正誤は...
    (上演時間2時間)2017.10.1追記

    ネタバレBOX

    舞台セットは、上手側に布で覆われた物(サッカーゴール)、下手側上部にバスケットゴール、床には陸上トラックが描かれている。
    この劇団の特長は、スポーツと称した運動量、その疾走感が観ていて清清しくなる。その躍動感が物語の中にグイグイと引き込んでいき、自分が同世代に戻ったかのような一体感が心地良い。

    梗概…座黒高校はスポーツの名門高校、その部活は徹底したスパルタ教育が行われていた。そんな管理教育に反抗している生徒が収監されている最中、今(2017年)から1977年へタイムスリップしてしまう。40年の時を遡行して当時の座黒高校の生徒と交流することによって、今より厳しい体制・管理を経験し更に反抗・反発を覚える。1977年当時は教師に反抗的な態度を示せば体罰は当たり前。また練習と称して過度な特訓(腕立て押し車、うさぎ跳び等)で、今では効果がないと禁止されている練習も行っている。

    この指導方法に疑問を持ったジャーナリストが、教師のインタビューを通じ教育現場のあり方に疑問を呈する。そして生徒に自主・自立を説き教師を辞職に追い込むが…。
    教育は”洗脳”のようなもの。真の教育は人間形成を行うこと。生徒が間違っていれば叱る(体罰)という当たり前の行為。その方法と行為は、現代(2017年)では認められない。その時代間隔にある感覚の違いが鮮明であるため、分かり易い描き方になっている。

    その管理教育で教育を受けた生徒が、今、座黒高校で教鞭を執っており、少し違うが管理教育という点では継承した取り組みを行っている。スポーツにおける精神力強化に役立つという。スポーツにおけるメンタル面強化、体力+精神を重視した教育論へ発展させている。
    また生徒の監視・管理という面でも40年前の「風紀委員会」を「管理部」という部活に改組している。その体制、生徒による生徒の管理は本当に必要なのか。その例としてスタンフォード大学の監獄実験を挙げていた。その活動の是非は観客に委ねられたかもしれない。

    演出…見せ方は、衣装が囚人服に見立てた横縞Tシャツ。スポーツの場面ではバスケットのエアゴールでネットを揺らすなど臨場感を表す。
    演技…役者はそれぞれのキャラクターを立ち上げ、演技のバランスも良い。それは役者が時代の空気を身にまとい役者一人ひとりが役を突き抜け登場人物の人生を生きているからだろう。
    特に、新藤雷蔵役(鈴木清信サン)は昭和52(1977)年当時いたような風貌・雰囲気の教師でリアリティがあった。
    最後に、なぜ窓ガラスが割れ第7房へタイムスリップしたのか?そして現代へ戻ってくるその往還する契機は何だったのかが気になる。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2017/09/29 12:44

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大