Hexagram 公演情報 アブラクサス 「Hexagram」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     ジャンヌの生きた時代から600年の年を経て、尚ジャンヌは世界中で伝説と化した存在だろう。(後程若干の追記予定)花四つ☆

    ネタバレBOX

    13歳で神の声を聴いた彼女は、僅か19歳でその生涯を閉じた。それも異端審問の末火刑に処せられたのである。だが、彼女の起こしたとされる奇跡によって、またイギリスに負け続けていたフランスが遂には勝利して終わった百年戦争の立役者として、時代の複雑な利害関係と王族・貴族の権謀術数に、教会の権威主義や、ジャンヌの右腕として活躍したものの、ジャンヌ亡き後は、黒魔術に走り領内の子供達を誘拐しては黒ミサの供物としたとされる名将・名君の名を恣にしたジル・ド・レーの謎に満ちた生涯も含め、彼女の周りには様々な謎と不可解が存する。無論、様々な証言にも、当時の利害得失が反映されており、その解釈も一筋縄ではゆかない。だが、これらの複雑な要素を通してもジャンヌの人気が衰えないのは、矢張り、何処かに彼女に与したくなる本質的な“もの・こと”があるからだろう。その本質を今作は、神という名に於いて示された絶対的倫理に向き合う、不完全な存在としての人間の倫理の相克そのものをその短い生涯に於いて生き抜いた少女に託して描いた。そしてこのような見方こそ、この600年の間、我らヒトが彼女の生き方に見てきたことではあるまいか? 即ち弱く不完全なヒトという生き物が、絶対善に向き合う時に抱かざるを得ない恐れや畏怖と己の身体に加えられる痛みや拷問、極刑で殺されることへの恐怖という代償を払いながら人倫の楔として打ち込んだ巨きく、深く、重い問い。人は愛を担い切ることができるか? 己を蔑み、石礫を食らわし、唾を吐きかけ、裏切り、己の親、愛する者達を奪ったとしてもなお、それらの加害者を憎まず、愛によって接することができるか? 裏切られて尚その裏切り者を信じ、己が嘘を吐かずに接することができるか? 等々の極めて厳しい倫理である。そして、このような倫理を確立できなければ、ヒトは互いの不信の果てに自らの種を滅ぼすであろう。

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    2017/07/06 02:32

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  • 羽杏さま
    はい、色々表現について語り合いたいですね。
    ではまた。
                 ハンダラ 拝

    2017/07/19 02:28

    ハンダラ様
    こちらこそよろしくお願い致します。

    2017/07/17 14:29

    ハンダラ様
    いつもありがとうごいます。
    今回も伝えたいテーマに対して丁寧な感想を頂きとても嬉しいです。
    今後ともよろしくお願い致します。
    心より感謝を込めて

    2017/07/17 14:24

    羽杏さま
    作品と対峙することが、観客にできることですから。
    今後ともよろしくお願いします。
                  ハンダラ 拝

    2017/07/17 14:24

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