満足度★★★★
80年代から90年代のモザイク構造の芝居を見てきた私としては、懐かしさ半分と旬のフォトショ世代のシームレスな感じが実に新鮮だった。
芥川の籔の中がインスパイアされているという。
昔の言葉遊びによるモザイク構造と違い、場も人格も境界線がない。
メタ構造であると言うよりも、要はたった2人のグズグズな恋の話。
そこには爽快なほど、愛はない。
この愛の無さが、実にいいんだ。
ファンタジーってやつは何かが欠けている。それは大体リアリティーなのだが、例えば(月) を、単純に長野とか群馬とかに置き換えると、途端にリアリティーが生まれる。
こんなストーリーの作り方の境界線のなさが気持ちいい。