月経ファンタスティック 公演情報 美貴ヲの劇「月経ファンタスティック」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    80年代から90年代のモザイク構造の芝居を見てきた私としては、懐かしさ半分と旬のフォトショ世代のシームレスな感じが実に新鮮だった。
    芥川の籔の中がインスパイアされているという。
    昔の言葉遊びによるモザイク構造と違い、場も人格も境界線がない。
    メタ構造であると言うよりも、要はたった2人のグズグズな恋の話。
    そこには爽快なほど、愛はない。
    この愛の無さが、実にいいんだ。
    ファンタジーってやつは何かが欠けている。それは大体リアリティーなのだが、例えば(月) を、単純に長野とか群馬とかに置き換えると、途端にリアリティーが生まれる。
    こんなストーリーの作り方の境界線のなさが気持ちいい。

    ネタバレBOX

    月に行くと言い出す馬鹿男を見送る女のライカ犬のエピソードの1人セリフが実に文学だ。
    それこそあそこで幕引きでもよかったような気がする。
    コメディーとしては、それからの展開は、ある意味「救い」ではあるが、ファンタジーからコントになってしまった気がする。
    悪くは無いのだが、すべての自分との馴れ合いは、貫いてきたドライ感を、ウェットかつウェルメイドにしている。
    3の線のあたしとしては、生乾きの自尊心を罵倒される2枚目半に、溜飲が下がるが、同時に男として、弁慶の泣きどころをガンガン蹴られつつ、女同士の色恋ざたの果て、男ウケする女の首を絞める武闘派を目撃すると言う、楽しい芝居だった

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    2017/07/01 00:33

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