南島俘虜記 公演情報 青年団「南島俘虜記」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    【Bチーム】観劇
    舞台美術は最高。自分もその場にいるような臨場感溢れる舞台だけに観客の足が見えるのはげんなり。最前列の人は足を伸ばさないようにしてほしいと思いました。

    ネタバレBOX

    少なくとも第二次世界大戦の後の時代。新たな戦争で捕虜となった日本兵が太平洋上の島の収容所に収容されている様を描いた話。

    観客席をも巻き込んで、周囲四方八方から濃い緑色の草が圧倒的な迫力で迫り、中央には草を編んで作ったものの、年月の経過とともに枯れてところどころ禿げ落ちたようになった屋根がしつらえられており、その下に軽便なベッドや椅子があり、南洋の収容所の集会所が作られていました。我々もその場にいるような素晴らしい舞台美術でした。

    得意の非日常の日常。捕虜になって数年、兵士たちは一番安全なところにいて緩い生活を送っていますが、捕虜になる前の行為に対して戦争犯罪に問われないように不必要な発言は控えています。日本は空襲でやられ、東京の人口は十分の一になっているようなことが会話の端々から聞こえ、少し状況が明らかになるのは心地良いです。ただ、結局は非日常の中の日常、日常には無駄話が多く見飽きてしまいました。

    日本は戦闘能力がもうなさそうなのに戦争はいつまでも続くというようなこと、日本兵は捕虜になりたがらないことが看護師の口から聞こえました。第二次世界大戦以降の教育と国際化によってそんなことはないのではないかと思いましたが、右傾化によって改めて戦前の思想が浸透したのかもしれません。

    芋羊羹が食べたいなどと、食べたいものに和菓子が出てきました。道徳の教科書でパン屋を和菓子屋に置き換えたことにも通じると思わず苦笑してしまいました。

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    2017/04/07 14:51

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