リーディング公演「ふたり」 公演情報 制作「山口ちはる」プロデュース「リーディング公演「ふたり」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/04/02 (日) 13:00

    大いにネタばれ

    ネタバレBOX

    リーディング公演『ふたり』を観劇。

    四作品あり、目当ては倉本朋幸の『千に晴れる』

    姉妹の幼い頃から、現在までの家庭環境と母親喪失までを、姉を中心に描いている。
    俳優を目指し、東京で自分の好きな事をして生きているバツイチの姉と、一人暮らしの母親の面倒を兼ねて、地元・大阪で暮らしている妹。
    そんな二人だが、母親を病気で失ってしまう。
    常々母親に、感謝の思いを伝えたいのに、性格の為か、素直になれなかった姉だが、母親を失ってみて初めて気付く喪失感を、リーディングを通して感じる事が出来るのである。
    誰もが感じるであろう心情を、演技をしていないにも関わらず、姉を演じた亜矢乃から発せられる感情の高ぶりに、ただ言葉を聴いている以上に我々は興奮してしまうのである。
    明らかに彼女の独壇場でもあったようだ。
    そしてその感情の高ぶりで、舞台は終わり、暗転明けから、彼女からの舞台の裏話しが始めるのだが、どうやら舞台においての不手際、不満などをブチまけていくのである。
    「もしかしてまだ芝居が続いているの?」と疑ってしまうくらい、今作の裏話しのような真実味があり、見ていておぞましいくらいのエネルギーの爆発する瞬間を目撃する事が出来るのである。
    そして本当に舞台が終わって、彼女が役者紹介をしていくのだが、芝居のテンションが冷めていないからか、表情から察するに「どう見てもさっきのは真実ではないか?」と最後まで疑ってしまったのである。
    キャラクターを己の者にする俳優は沢山いるが、リーディングという環境の中で、
    あそこまで出来るのはなかなかである。
    思い出す処では「百物語」の白石加代子だけだろう。

    『千に晴れる』の亜矢乃バージョンは、お勧めである。

    短編映画『キム・タク」 舞台「いつかひーろーに」「ガーデン」とまだ僅かしか亜矢乃の演技は観た事はないが、どうやらとんでもない俳優になった様である。

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    2017/04/02 18:24

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