紛争地域から生まれた演劇シリーズ8 公演情報 公益社団法人 国際演劇協会 日本センター「紛争地域から生まれた演劇シリーズ8」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     年末に上演されるこのシリーズも8回目を迎える。何とも感慨深いではないか。

    ネタバレBOX

    漸く日本の文化人も何とか世界に目を向けようとする時代にはなったか!? そうは言っても、普段評論が書ける方は兎も角、多くの演劇関係者がイスラムの内実については殆ど何も知るまい。「インシャラー」という科白でフランスのリセーアンが何故笑うのか? この程度の単純なことすら多くの日本人には分からない。更にハラルミートなどの宗教的タブーに関することも多くの日本人には分かるまい。自分は知らぬことを攻撃しているのではない。外部に目を開こうとしない多くの日本人の態度に対して批判しているだけである。既に日本には多くのムスリムが住み、日本人とも接触してきた。にも関わらず、彼らの価値観や人間関係のありようをアメリカ流のバイアスを掛けてしか見ない日本人が多数存在するように思うのだ。無論、そうでない日本人も自分の周りには多いが、日本人全体としてはマイノリティーであろう。
     まあ、ヨーロッパ人は、アメリカの大衆ほど単純ではないからムスリムに対して様々な対応を取るが、それでも“テロとの戦争”を標榜してブッシュがイスラム圏に仕掛けて以来、多くのヨーロッパ諸国でもイスラムフォビアが猛威を奮ってきた。今作の原作者イスマエル・サイディはベルギーで1976年に生まれたモロッコ系の人物である。ジハードは彼の三作目の戯曲である。現在までに205回もの公演が打たれ、観客の延べ人数は7万を超えるが、そのうちの4万人はリセーアンなどの若者である。一方で彼の笑いに富んだ作品は多くの世代に受け入れられているのも事実である。実際、突き付けている問題の深刻さ、鋭さを見事に笑いで緩和しつつ、キチンと問題提起をしている点で彼の優れた才能は高く評価されてしかるべきであるし、自分も原文で読んでみたい作家である。興味のある向きは仏語版を探して読んでみることをお勧めする。自分もこれからちょっと調べて読んでみるつもりである。

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    2016/12/21 00:35

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