荒野ではない 公演情報 SPIRAL MOON「荒野ではない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    忘れてはいけない時代
    今は、しごく当前である「女性の社会進出」や「人間の平等」といった考え方が色眼鏡で見られひいては反社会的であると迄見られていた時代を描いた作品です。

    ネタバレBOX

    「元始、女性は太陽であった」で有名な平塚らいてうは婦人参政権等の女性の権利獲得を目指した活動家として知られています。らいてうはその目的を果たすべく雑誌「青鞜(知性と教養の象徴であるブルーストッキングの和訳)」を発刊します。
    そのらいてうの元に集まった保持研子や尾竹紅吉や伊藤野枝たち。
    本作品においては平塚らいてう達の活動も描かれていながら、平塚らいてうと奥村博史の愛、「青鞜」に携わる人達の国家権力や考え方の異なる周囲との葛藤といった人間的な部分が大きく描かれています。
    知られざるところでは、大杉栄は「ファーブル昆虫記』を日本で初訳出版したことで、その世界では有名です。劇中「虫が食べられる」という会話やアサギマダラに夢を重ねるところが出てきます。こういった描き方もアナキスト大杉栄と異なった顔を描きだしています。
    「女性解放運動家」「アナーキスト」と当時社会の異端児であった彼ら彼女たちですが、その人間的な部分を巧みに捉えた素晴らしい作品であると思います。
    最後は明るい未来に向けて船をこぎ出す場面。
    その後メンバーの辿る運命を知る者としては涙無しでは見られませんでした

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    2016/11/28 13:05

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