酔いどれシューベルト 公演情報 劇団東京イボンヌ「酔いどれシューベルト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    愛すべき「歌曲の王」
    ベートーベンとほぼ同時代を生きた偉大なる作曲家シューベルト。
    “ヒット曲”を産み出すことの苦悩とクラウディアとの愛を描いた秀作です。

    ネタバレBOX

    シューベルトという作曲家はあまりに著名でありますが、その私生活について今まで深く知りませんでしたので非常に勉強になりました。
    本作品は作曲家としての苦悩と悲恋とに絞り込んだことにより、シューベルトの人間性が明確に伝わってきました。
    まずベートーベンに対するコンプレックス。“交響曲”で名をはせたベートーベンに対し、そこでの勝負はあきらめ、対抗手段として600もの“歌曲”を31歳で亡くなるまで産み出すという人間的な部分はとても興味深いものがありました。
    またクラウディアという相思相愛の女性が居ながら、貧乏ゆえ他の男に奪われてしまう悲しい人生を送ったということもわかり、彼との距離をとても縮めてくれました。
    主演のいしだ壱成さん、本当にうまさを感じます。先月別の舞台で全く違ったタイプの役を演じていらしたのを拝見し、素晴らしさを感じましたが、今回も完全にシューベルトが降臨していましたね。客席の隅々まではっきりと届く声、とてもいいです。
    ※余談ですが、最後にシューベルトの手がだらりと下がるところ、いしださん主演のTBSドレマ「未成年」と並ぶ野島伸司さんの「高校教師」のラストを思い出してしまいました。

    年末に聞くクラシックは最高ですね。心に響く演奏、ありがとうございました。

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    2016/11/18 13:26

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